黄昏時の君へ

3月11日土曜日 7

僕たちが見ることになった映画のジャンルは、アクション物すみれが言うには漫画原作らしい

そんなこんなで映画が始まって三十分弱

いつもならテレビとかを見ていると眠くなり始める頃だが、今回は文字通り寝る暇もなかった、理由は単純で見ているのがフォーディーエックスだったからだ

初めて見ているがとにかく動く、そして水？をかけられたり、変な匂いがしたりで寝かせてくれなかった

「ウップ……吐きそうです」

隣にいるこはくが、何か言い出したが僕も少し動くだけで吐きそうになる、なんとか乗り越えるのを祈ってよう

吐きそうで、吐きそうで辛い時間も終わった

ちなみに映画の内容は二割も覚えてない

「ぅっぷ、つ…疲れました〜」

「大丈夫ですか、こはくさん」

「はい…だ、大丈夫…です、イスが動くのは耐えられるんですけど、匂いが…すごくキツかったです」

こはくは元イヌだから、鼻が良くてよけいキツかったのかもしれない

「三人共、もうお昼過ぎちゃってるけど…、お昼どうする？食べて行っちゃう？」

お腹は空いているんだけどなぁ

「私はフードコートで食べようと思ってるんだけど…どうかな？」

「僕はお腹空いてるから食べたいけど……こはくはどうする？」

「は…い私は…もう大丈夫…ですよ…気持ち悪いのも治りましたし……お腹も空いてるので食べて帰りたいです」

「すみれはどうする？」

「私もみなさんのお邪魔にならないのでしたら、ご一緒したいです」

「それじゃフードコートに行こう」