3月9日木曜日 4
チラシを見ながらスーパーに行きある程度目星をつけておくことにしたおかげで、買うものが決まった。
このスーパーは毎週木曜日にお一人様一パックで卵が安くなるらしいので10%ofの鶏肉があるから、明日の夕ご飯はオムライスにすることに決め、精肉コーナーを回り、買い物を終え外に出る。
このスーパーでは夏休みに一悶着あったから自然と寄り付かなくなっていた。
別に僕がなにか悪いことしたわけじゃないがなんとなく行きづらくなっていた
久しぶりに来たから、駐車場を見ていたら前を見てなかったので人とぶつかってしまった
「あっと」
「ふぎゅう」
女の子が倒れそうになっていたので咄嗟に支えるために手を引っ張った
……少し前の僕ならぶつかったのを認識したときに
女の子は倒れていそう……反応速度上がったか?
「ふぇあ!?…あっ…えとありがとうございます」
よく見ると会ったことがある人なので話しかけるか悩んでいると相手から話しかけてきた
「あっあの…九十九先輩ですよね、お久しぶりです」
「うっうん久しぶり……です、すみれ……」
「あの、助けてくれてありがとうございます」
「今回のは僕の、前方不注意だったすまん」
「いえ気にしてません、それより会えて嬉しいです」
女の子に会えて嬉しいなんて言われるだけで
こっちも嬉しくなってしまうが、僕が会えて嬉しいなんて言うのはクソキモい
なので無難に返事しよう
「うん、久しぶり半年ぶりだよね、鰤だけに」
買い物を終えたバックを掲げる
「?……はい本当はまた早く会いたかったのですが
……先輩最近学校に来てませんよね?」
何故知ってるんだ……ストーカー?イヤ僕なんかに居るはずないなら…
僕学校で有名人なのか?まぁ聞けばわかるか
「なんで僕が学校行ってないの知ってるの?」
すみれ……さんは僕と同じ中学校なのは知ってるが
学校では一回も話してない
「先輩の担任の先生に聞きました」
担任は全学年担任する体育教師だ、聞くタイミングはいくらでもあったはず
「なるほどね…えっとね、学校行ってないのは長い間家を空けられないからなんだよ」
同じくらいの年代の人にはあまり家の事情は話してない、けどこの子は信じられる
「そうなんですか…うーん大変そうですね、でも
私にできることがあるなら頼ってください」
「うん、ありがとうそれじゃ」
「はい、さよならまた今度」
すみれと別れ何歩か進んだときにみゃーこ先輩から電話がきた
「もしもし、どうしたんですか先輩?」