第二章 第二幕 冒険らしく!
がんばるぞー
ふぅ… 眠たい
ベッドから体をなんとか起こし、カーテンを開けた。外は晴天で眩しい光が窓から差し込んでくる。
オーロラの方を見るとまだ寝ている。
「オーロラー起きろよー」
Zzz…
一体彼女は一日何時間睡眠をとってるんだ?と疑問を持ちつつ、腹も減ったので、宿にあった謎の缶詰を食べようと思う。
いざ開けてみると、鯖の味噌煮のような、美味しそうなものが出てきた。
てっきりカエルとかのゲテモノ料理かと思ったが、見た目は安心だ。
肝心なのは味。早速口に入れると、それが美味しすぎる。現世の缶詰を軽く凌駕する美味しさだ。
この異世界にも缶詰文化があることも、かなり驚きだが、そんなことより美味しすぎて、何個でも食べれそうだ。
時刻は8時40分。残り20分でチェックアウトを済ませて、宿から出ないといけない。
俺はオーロラを叩き起こした。
「ハルトさん…まだ寝てもいいですか?」
良いわけないだろ。
「早く朝の支度しないと間に合わないぞ。」
俺たちは大急ぎで朝の支度を済ませ、宿を後にした。
俺たちが真っ先に向かうところはそう。冒険者ギルドだ。
今日は仲間を増やそうと思う。
今のパーティじゃ、依頼なんて出来っこない。
ここで仲間の登場だ。超すごいやつが仲間になって大儲けできるかもしれない。
そんな期待を胸に冒険者ギルドに入った。
相変わらず、騒がしいな。
取り敢えず椅子に座ろうと思った瞬間
!!!!!バン!!!!!
謎の女が勢いよく扉を開けてこう言い放った。
「ハルトという名前のやつはいるか?」
ここは焦らず冷静に…
「僕だよ。どうかしたの?」
怖い怖い。もうちびりそうだ。髪の毛は紫で瞳の色は黄。可愛いが、見るだけで分かる。こいつは強い。
そうすると間を空けずに
「私を仲間に入れてくれ!」
唐突だな。だが丁度仲間が欲しかったところだ。
「いいよ。とりあえず役職は?」
「重戦士だ。」
スタフラ Lv10 基礎ステータス
攻撃0 防御30 魔力5 素早さ2 幸運3 頭脳2
防御力に特化したタイプだな。うん。
攻撃力0!?どういうことだ?
「なんで攻撃力が0なんだ?」
「私は生まれつき、剣を扱うのが苦手でな。剣を振ろうとすると、何故か相手の真横を切ってしまうんだ。」
ちょっと何言ってるか分からない。
「じゃあ拳で戦うのはダメなのか?」
「このか弱い乙女が、殴るだなんて。考えられないだろ?」
どこがか弱くて乙女だ。ゴリラだろ。
「取り敢えず俺のステータスも見せるね。」
「ふふっ…」
何笑ってんだよ。キレるぞ。
まあ、仲間は1人集まった。よかったぜ。あともう1人くらいほしいんだが。
でも仲間を集めている暇なんてない。
今日の分の宿代と食事代を確保しておかないと。
とりあえず今日も依頼をこなすとしよう。
ゴブリン 難易度☆☆ 場所 洞窟 報酬一匹 500ルード
これでいいかな。
まあスタフラとかいうマッスル騎士を仲間になったしいけるだろ。
「このスタフラ!私に任せておけ!」
お前は攻撃を受けることしかできないだろ。
〜冒険者移動中〜
よし着いたな。暗いが松明が灯されている。一応オーロラにも炎の魔法で照らしてもらおう。
スタフラを前衛に置いて、洞窟を進めば、攻略も余裕だろ。
「なあ。ゴブリンってどんな感じなんだ?」
オーロラは少し元気がなさそうに
「頭がよく、ただ卑怯です。不意打ちもしてきます。」
そうなのか。俺の世界のゴブリンはスライムと同等の雑魚のイメージだが。
あぁ…あ…た…すけ
最後の体力を振り絞った声が聞こえる。
「なんだ?人が捕らえられているのか?」
「これはまずいです………」
「そうだな。一刻も早く助けに行くぞ」
スタフラもオーロラも今までにない以上に焦っている。俺たちは全速力で、洞窟を突き進む。
「私からは絶対に離れるな」
スタフラはやっぱり頼もしい。
その安堵感で油断した瞬間、周りの松明の火が消えた。いや、意図して消されたんだ。
「オーロラ!炎の火力を強めることはできるか?」
「は、はい!」
辺りを見渡すと、既にゴブリンに囲まれている。ゴブリンたちは鋭利なナイフを持っている。
しかも奥には両手両足を釘で打たれ、身動きの取れない女性がいる。もう瀕死だ。ゴブリンにやられたのだろう。さらに、魔術を使いそうな、ゴブリンの群れの長のようなやつもいる。
「オーロラ!なんか魔法打てるか?」
「私の魔法も、ここじゃみんな巻き込んでしまいます!」
「くそ!私はダメージをほぼ受けないが、二人は守りきれん…」
ゴブリンは様子を見ている。相手の油断を誘っているのか?
俺も仲間ばかり頼っていてはいけない…ここで俺が仕留める。
くそおおおおお
俺がゴブリンに向かって走り出した瞬間。ゴブリンたちはオーロラをターゲットにした。最悪だ。俺がオーロラから離れることを待っていたのか。
「☆$○°×○=…+」「|-)」
謎の呪文を唱え始めた。
「くそ…こいつ、防御低下魔法を…」
嘘だろ…スタフラの防御を下げられるのは唯一の弱点だ。
「痛い!助けて!」
オーロラが叫ぶ
「くそっ!ゴブリンごときに…!」
スタフラは必死な抵抗する。
おれは無力だ。こんな肝心な時に何もできない。仲間の苦痛も聞きたくない。
「俺の存在価値をこれ以上下げないでくれよ…!」
がむしゃらにゴブリンに剣を振るう。
だが避けられる。ゴブリンの攻撃は俺に向かってきた。体のあちこちにナイフが刺さる。
痛い‥痛い‥痛い…痛い…
フランメ!
周りのゴブリンが少し燃えている。
オーロラの攻撃だろうか。
「ハルトさん…貴方だけでも逃げてください…」
「ただ街の方へ走って、救助を呼んできてください…」
なんで置いていかないといけないんだよ…
クソっ…まだこの二人と冒険したい…まだ、思い出も何も作っていないじゃないか…
驚異的な潜在能力
発動
ゴブリンの残党がこっちに向かってくる。
イエロクリスタル
氷の結晶をゴブリンにぶち込む。炎魔法の応用だ。
魔法なんか使ったことがないのに、何故か打てる。
この洞窟にはゴブリンは32匹か。
ゼーデルヒープ
俺とオーロラスタフラを囲むように魔法陣を貼った。
後は点と点を魔力で繋ぐだけだな。
ゴブリンが飛びかかってきたが、既に魔法を発動している。
この魔法は無数の斬撃を発生させる。基本は動かすが、ゴブリン以外にも当たったらまずい。そのため、応用として、その場に留まらせた。動かない分、切れ味は抜群だ。
ゴブリンは学習能力に優れているため、初見の魔法には対処できない。
気がつけば、辺りはゴブリンのバラバラになった死体。後は奥にある、ゴブリンの長だな。こいつにも、斬撃を…
攻撃をしようとした瞬間、俺の左腕がとんだ。
「あらら、まあ回復するだろ」
俺は使ったこともないが、何故か治癒魔法も使えてしまう。体が覚えている感じだな。
こいつは魔法に優れている。なら詰めて物理攻撃をするまで。
俺はそいつの顔面に回し蹴りをし、よろけた瞬間に、腰の剣を抜いた。一刀両断だ。剣は俺の力に耐えられず、バラバラになってしまった。
後は女の子とオーロラ、スタフラに治癒魔法を施す。
「これで完了だ。」
全員背負っていくのか?まあいけるか。
なんか軽いな。スタフラに関してはかなり重そうな防具を付けているのに。
洞窟を出たな。後は街に戻るだけだ。
よーし!頑張るか!
驚異的な潜在能力
解除
ん。なんか足が動かないな。
バランスも取れない。というか、重すぎる。やばい、倒れる。
うわあああ
「あれ。ゴブリンは?」
スタフラが起きた。良かった。彼女なら2人くらい余裕で背負えるだろう。
「ゴブリンか。俺が全部討伐したぞー!」
「な!?どうやってだ!?」
「なんか、俺にも分からないんだけど、身体能力が覚醒したんだよねー」
「よく分からないが、みんな無事でよかった。」
スタフラは安堵した表情を浮かべている。
「よし!帰るか!」
〜冒険者帰還中〜
疲れた




