死んだ人の話
死にたいな
そう思うようになったのはいつからだろう
小学生の高学年の時に気付いた
人生ってずっと同じことを繰り返してて
つまんないな
繰り返し同じ作業を続けていて
その先に光はあるのだろうか?
きっとこの単調な作業を続けていても
この先に光は見えず
ただ死という真っ暗で不明瞭な世界が広がっているだけだろう
今死んでも未来のどこかで死んでも
辿る結末はきっと1つだけ
ならば今を生きる意味とはあるのだろうか
確かに何もわからないのは怖い
だがこの先を生きる事にもそれは言えることなのではなかろうか
いつどこで自分が死ぬかわからない
死に方すらも選べないこんな世の中は
とても残酷だと思う
こんな考えを誰もが持っていると思っていたが
未だに僕と同じ考えを持つ者とは会ったことがなかった
皆こんな複雑な事なんか考えずに生きているのだろうか
皆と違う考えを持っている僕は変わり者なのだろうか
そうだとすれば僕は居なくなったほうがいい
いつの時代もどの世界も変わり者は輪に入れない
輪に入れない上にずっと同じ作業を繰り返していかないといけないのなら
死んだほうが僕にとっても世界にとっても幸せだろう
9月10日
深夜2時
真っ暗な世界で目が覚めた
目の前には大きなスクリーンだけが存在していた
そのスクリーンの中には慌てふためく家族の姿があった
家族はすぐ救急車を呼び
病院に向かう
数時間後に医師から亡くなりました
という言葉をきいたとき母は泣き崩れ父は自分を責めているようだった
次の日は僕の葬式の様子がスクリーンに映し出された
たくさんの人がいた
あまり関わりがないクラスの人も来てくれて
少し嬉しい気もした
皆泣いていた
僕は意外と人から好かれていたんだなと実感する
少し嬉しくなった
ただ葬式が終わった日からはスクリーンに知り合いの映像が映し出されるだけになった
お腹も空かないし
眠気も起きない
もう時間がどれだけたったのかもわからない
誰もいない
はっきり言って暇だ
この暇な時間はあとどれくらい続くのだろう
一生続くのかもしれないという恐怖が一瞬だけ僕を恐怖に陥れた
それからどれだけ長い時がたったのかも分からなくなった頃
僕は一つの結論に辿り着く
もうずっと誰も来ないひとりぼっちの
退屈な時間が一生続く
その恐怖が僕を支配していく
僕はそれから自分を殺す事だけを考えるようになった
ただそれはすぐに無駄だと言うことに気付いた
首を絞めても自分のことを殴っても
苦しくならないし痛くもない
気分は最悪なのに
体は心地よい感覚がする
ここは最悪な場所だ
生きてる時の僕に対して一つ言えるならば
死んだあとの世界はクソだということだ
死は救済?笑わせるな
誰も来ない退屈な世界で誰が救われるんだ
死は救済なんて言葉は死んだあとの世界を知らないからこんな無責任な事が言えるんだ
頼むからもうそんな無責任な事を言うのはやめてくれ
死んだ後の退屈な世界にいる僕からの手紙だ




