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挨拶に代えて
時は、一ハ七九年。アメリカ合衆国の西部に、果てしなく広がる荒野。
南北戦争が終結してから、十四年の月日が流れた。戦争が終わっても、北軍から南軍への弾圧は続き、そしてまた、南軍から北軍への報復も続いていたのである。憎しみが憎しみを呼ぶが故に、互いの人間達は過去の因縁から殺し合い、その家族もリンチに遭った。
西部開拓時代に起こった惨劇は、この事のみに留まらない。
金などの鉱脈や水源に広大な草原地帯を巡り、地主同士が権利を求めて争ったり、或いはお尋ね者を追って保安官やアウト・ローなどのガンマンが荒野を駆け抜け、治安維持のためや多額の賞金を目当てに合法的に人が殺され、東部では考えられない戦いが、ここ西部では行われていたのである。
今からお話しするのは、そうした時代の嵐に翻弄されながらも、弱き人々のために戦ったとあるガンマン達の、愛と勇気と希望の物語である。




