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剣で斬るより拳で殴った方が強かったから、勇者な私は勇者の剣を国に返しました。でも剣を返したって理由だけで追放されるのは話が違くないですか?ねえ王様聞いてる?そうですか、じゃあ私、魔王と結婚しに行くわ。

作者: 衣江犬羽

三作目として出そうと思っていた物の単発です。


奇跡的に評判が良かったりしたら、もしかしたら続き書くかもしれません。



 私はこの世界の勇者! 十六の誕生日に両親から「実はお前は勇者の生まれ変わりなんだ」と聞かされ、次の日には国から授かった勇者の剣を手に旅を続けている最中! 


 でも、旅の途中で遭遇した魔物と苦戦している時に、それは分かってしまったのです。勇者の力を勇者の剣に込めて振り下ろすよりも、拳に込めた勇者パワーでワンパンした方が、とんでもない威力になるという事に⋯⋯!

 

 ワンパン、ワンパン、ワンパーン! でっかい魔物もワンパーン! 

 勇者の剣なんて最早重石。錬金の素材にもなりゃしなければ、売るなんてとんでもないって返されちゃう! 

 でも、必要無くなったので返しますって王様に言ったら「勇者の使命を捨てる奴なんぞ勇者などではない!」ってプンスカプンスカ怒り始めて私を国から追い出しやがった! 


 魔王討伐の旅なんてもう知らない!

 勇者の使命諸共捨てて、今片想い中の男と幸せな家庭築いてやるんだからな!


「ごめん、暴力的な勇者はちょっと⋯⋯」

 はああ!? この色とりどりな世界に今時珍しい黒髪清楚の女の子だぞ!? お前が望んだってこんな可憐な美少女近付いて来ないかんな! てかもう振られたわ! どうしよう!? 私の人生詰んじゃった!? よりにもよってこんな開幕に!?


 やだやだやだやだ絶対やだぞ!? 人生真っ暗絶対嫌だ! どなたか私の生きがいおくれ! 勇者の権力も時代遅れ!?

 

 いやいやそんな筈は無いって頭を悩ますそんな日々、遂に見つけた! 私の次なる生きがいイケメン⋯⋯!!

『この世は我が支配する⋯⋯』


 そうなんです。嗚呼、魔王、お前もしかしてこの世で一番のイケメンなんじゃないか? 私の生きがいはキミなんだね、勇者の特権はお前に一番に会いに行ける事なんだって、全く気付けなかったよ。


 だったら私は返り咲こう、ハッピーエンドじゃ生ぬるい、魔王と結婚するトゥルーエンドだ、勇者の剣と魔王の剣でウェディングケーキに入刀するぞ。

 

 待っていろ魔王、お前と結婚する事で、世界とお前を救ってやるからな!!



 王様! やっぱり私⋯⋯勇者に戻りたいです!


「お前と話す事などもう無い、去れ」

 嗚呼、魔王。まずは勇者の剣を盗む所からだな⋯⋯。

 

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