おうち
「煌ちゃん!そろそろ夕ご飯の時間だよ」
「うん!ありがとう。玉ちゃん」
袖の大きい白い衣から、チョンと出ている手を掴み。
山見丘から、遠くてもよく見える白くてボールを半分にした家へと足を向ける。
「今日は、どんなお話しだった?」
「うんとね…。世界の境界線を破壊する兵器だったかな?」
「なにそれ?」
「危ないようで、危なくない、危ない物?」
「よくわからないね?」
「だねー」
とてとて歩き、おしゃべりしながら家に帰る時間…とてもしあわせだ。
「今日の晩御飯は何かなー?」
「ハンバーグだって、メンエキリョク高めるために大蒜いっぱい、玉ねぎいっぱい、生姜たっぷりだって」
「おー!それはおいしそーだ!!」
「…煌ちゃんは変わったモノ好きだよね」
「玉ちゃんはフツーなの好きだね~」
「普通が一番よ」
玉ちゃんが好きなフツーは…よくわからない。
ケンコーの事を考えると、それくらいがちょーど良いのにね?
「踊るのも?」
「んー、それは…うん。普通じゃないのがいいかなぁ」
「でしょ?」
「なにが…でしょ?よ。でも、好きなものは普通ではいられないって事かな?」
「そうだねー。好きなら普通じゃいられない!ダイナミックに美しくだね!!」
「ハハ、そうよね。ダイナミックに美しく…静けさも忘れずに」
「はーい」
玉ちゃんが、モノノフのような足取りで…しかし、その動きは柔らかく静かで…手の動きは何かを祓うかのように動かし、その場を別の空間に変えるような動きをする。
「おみごと!」
「ありがとう」
実際、目に見えない世界では大きな変動がある。
おもう氣持ちが、その空間にものすごーーーーく影響があり、集中して空間を見ると色が大きく混ざり違う色に変わっているのが分かる。
「これが見えない人の時代…どうやってたんだろうなー」
「さあね?好きなように生きていたんじゃないかな?」
「それだと、体調がガッタガタになったりするようなー」
「だから、ビョーインが沢山必要だったんでしょ?」
「なるほど、そいうことか」
「そいうことよ」
よくわからないけど、こいうおしゃべり大好き。
そしたら、あっというまにおうちにつくからね。
「おかえり」
「ただいまーひめさまー」
「ただいま。妃さま」
「妃でよい」
「ひめさま!はんばーぐ!!」
「はいはい。できてますよ」
晩御飯晩御飯!