ぷろろぉーぐ
はじめまして、よろしくおねがいします。
「こわい話…世界の境界線を壊す兵器が存在するのよぉね~」
「へぇ~そうなんだ!境界線が無くなるとどうなるの?」
日が沈む夕方、風と畑のオソノ村の西にある山見丘で…うつくしい夕焼けを見ながら尊敬する人とおしゃべりをする。
「境界線が無くなること自体は、大したことないのよぉね~」
「へぇ~そうなんだ?でもでも、何かあるんじゃないの?」
「ふふ…もちろん!問題なのは、どちらかの世界から生命が移動する時に問題があるのよぉね~」
こわい話なのに、楽しそうに話してくれる。
オレは、この時間がとってもとっても大好きだ。
「どうして移動するとき?」
「それはね~。移動した生命に世界がくっついて…その世界が移動した生命の中に入っちゃうのよぉね~」
「ええ!?そうなると、生命の中に世界はどうなっちゃうの??」
オレは、氣なることを聴いた。
「それがね~。その生命がいのち尽きた時に、なんと!一緒にきえちゃうのよぉね~」
「ええ!!」
「ふふ…こわい話よぉね~」
夕焼けが美しさが絶好調になり、尊敬する人の赤青の鱗をキラキラ綺麗に光らせ、色っぽい緑色の目は今日しかみれない夕陽を愛でて、大きなしっぽがユラユラごきげんになっている。
「でも大丈夫。とってもとっても昔に在った話だからぁね~」
「そうなんだ!昔ってこわいものが在ったんだねー」
「そうなのよ!今はとっても平和!!とっても素敵な事なのよぉね~」
この平和な日々は、かつて存在した種族である…とても賢く愚かな生物であった人間、その中で…とくに賢く優しく残酷である【人】と定義できる存在が、地球に存在する2種類の言語から…言語自体の『心』を読み解き、それを分かりやすくして伝えていき…もっとも重要である「根っこから考える」という哲学を残して、それを信じてその思いを伝え…そのことを考えて生きて逝った者たちが増えていき、やがて「根っこから考える」者たちが…あらゆる自然災害や食糧問題を解決していき、生き延びて…新たな生命が誕生し、交わり…、人間という純粋種族は数を減らし滅びたが…人々の『心』は、この平和を作り続け…自然と生命の調和を作り続けている。
「煌ちゃーーーーん!!」
「あら?玉ちゃんが読んでるわぁね~。そろそろおうちに帰る時間かしらぁね~?」
「うん!またね!ドラゴン!!」
「はぁい~。またね!煌ちゃん」
尊敬する人…ドラゴンの大きな羽が広がり、静かだが力強い風がドラゴンの羽に集まり…その大きな体を浮かび上がらせ「じゃっ!」と、愛らしいウィンクをした瞬間…すでに山の向こうへ帰っていた。