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粛清

鉄格子を擦り抜けて逃げようとしていたところを俺は後ろから殴り固めた。奴らは鉄格子が身体の中に入ったまま動けなくなった。


緑髪「う、動けない!」


オレンジ髪「鉄格子が身体の中にぃい!!」


モンジィー「さて、お勉強の時間だ。教科は……復讐だぁ!!」


無防備に晒された奴らの背中を俺は手についた鎖で殴りまくった。しばらくこいつらは傷がつかないんで痛みでショック死しない限りはいくら殴っても大丈夫だろうと思い全員が失神するまで殴り続けた。

ギンシニスはいつの間にか新聞を読み直していて、ライラは俺にガス顔でグッドサインをしていた。


すると階段からチベット入ってきて、鉄格子に張り付いたまま気絶している4人を見て怒鳴り始めた。


チベット「囚人番号001番!!これはいったい何事だ!!」


モンジィー「なんだよ、気付いたんならもっと早く来てくれよ。」


チベット「黙れ!!無駄口を叩くな!ここであった事は全て把握した!!出ろ!!」


独房の鍵を開けながら言ってきた。俺は鎖を引きずり独房からでた。チベットは成人男性の体格より一回り大きい程度だったが迫力ある動きで俺の首根っこを掴み階段を上がらせた。

クラスBの階は広くバスケットコートやジムがあった。チベットは大声で全員の注目を集め俺を前に突き出した。


チベット「たった今ぁ!囚人番号001が収容違反を起こしたァ!!よって貴様等の見せしめとして、こいつを!!粛清する!!」


ワァアアと歓声が上がり囚人と看守が俺とチベットを囲むように近づいてきた。



チベット「そう言えば貴様ぁ、牢獄生活をゆっくり過ごしたいとかほざいてたなぁ!!!」


モンジィー「は?お前どっから聞いて……」


チベット「馬鹿モンが!!」


チベットは腰にさしていたサーベルを引き抜き、突き出した。刀身は滑らかにしなり、ビュンッ鋭い音を立て俺の目の前を横切った。その後も奴は休む事なく手を動かした。連続で繰り出される刃は精密かつ素早い動きで俺も完全に避ける事は出来なかった。しかし、一瞬の隙をついて手に繋がれた鎖を奴のサーベルに巻き付けて押さえ込んでやった。

その時、サーベルの刀身はゴムのように伸び、俺の顔向け飛んできた。最初は俺も幻覚だと思ったが明らかにサーベルが空気を切る音が近づいてきていた。俺は間一髪で首を傾げ急所に当たる事は免れたが、サーベルは左耳に直撃し、耳たぶの少し上が削ぎ落とされた。

チベットは俺が体勢を崩したタイミングで腕を振り上げ鎖を豆腐の様に切断した。


チベットは後方へ飛び距離を取ると再びサーベルを突き出してきた。刀身はまたもやゴムのように伸び俺の方へ迫ってきた。さっきとは違いただ一直線のように伸びるのではなく、まるで狂った蛇がのたうち回る様に不規則に曲がりくねりながら近づいてきた。胴体を後ろに逸らし一発目の攻撃は躱したがサーベルの刀身はすぐに向きを変え後ろから、右から、上からと俺の動きを分かっているかの様に避けた後から後から攻撃を仕掛けてきた。


チベット「何がゆっくりした生活だ!貴様等の様な愚か者に安息はやらん!!」


モンジィー「ふざけんな!!ウオッと…!俺達が社会から愚かだとか……ヌァ…!下等だとか言われたのは……くそっ……!誰の……フゥン……!!せいだと……グッ……思ってんだ!!」

攻撃を躱しながら反論をする。


チベット「投獄されたものは大抵そう言う。王が悪いだの政策が悪いだのとな!だが、結局は!!社会に順応できん貴様等が悪いのだ!!」


モンジィー「だから……ンヌ……そういう……順応できねぇ……オワァっと……奴らも……フンッ……いるって……察しろよ!!」


チベット「何が「察しろ」だ。王は常に国民のためを思って苦悩しておられる!それを1番分かっているのは王に使える我々だ!!貴様等の様に無い物ねだりする奴らに何が分かる!!」



囚人A「おい、あの2人、戦ってる最中にベラベラ喋ってるぜ。」


囚人B「まだどっちも本気じゃねぇって事なのか?」


看守「当然だ!!チベットさんは我が国でもトップの兵!!クラスAの囚人といえど、ろくに訓練もされていないゴロツキが相手になるか!!貴様等もよく見ておけ!!看守に逆らうとどうなるか!!」


チベットの攻撃はますます激しくなってきた。さっき不規則に曲がると言ったが実際には俺の回避する場所を作らない様にする籠の役割りを果たしていた。言うなれば俺は崖から突き出された板の上で四方八方から飛んでくる矢に狙われている様なもの。

既に俺の体は幾つもの切り傷や刺し傷が付けられている。致命傷こそ無いものの少しずつ皮を剥かれて小さくなっていくタマネギの様な気分だ。

それでも俺と奴の会話は止まらない。


モンジィー「何も分かって無いのはテメェらの方だろ!!ゴミを漁ってその日をしのいでいる奴らが毎日豪華な生活をしている奴に頭を下げて、踏みつけられ、くだらない理由で殺される奴もいる!!そんなアホどもを抑制できない王政なんてなぁとっとと滅んじまえばいいんだ!!」


チベット「王をバカにするな!!貴様には何の大義があってそんな事をぬかす!!貴様は何かのヒーローにでもなったつもりか!?所詮貴様は自分勝手な望みを自由と称して正当化しようとする負け組なのだ!!何故そんな奴が王に文句を言えよう!!」



試しに何度か伸びている刀身を殴ってみたが固まる様子はなく逆に俺の拳の方がボロボロになる。


チベット「ふん!!殴れば貴様の能力で固まるとでも思ったか?殴って固めた部位以外が伸びるだけだ!!無駄なんだよ!!貴様の能力にとって私の能力は最悪の相性なのだよ!!」


サーベルは俺の腕を並縫いのように上下に何度もさしながら肩まで伸びて最後には右肩から左脇腹までを貫通されそこから俺は意識を失った。




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