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そうだ、小説家になろう!

「おーい小花、ご飯持ってきたぞー!」


俺は妹から扉ドンドン、通称飯くれを言われ晩御飯を持ってくる。


ちなみに小花とは引き篭もり妹の名前だ


一応、声を掛けてみるもののやはり返事は無く、俺は諦めて扉から少し離れた位置に晩御飯の乗ったお盆を置く。


そしてメモ帳の紙を一枚破り、妹に向けてメッセージを送る。


『引きこもってないで部屋からでて、せめて顔だけでも見せてください』


「よし」


それをお盆の上に置き、自室に戻る。

多分一時間もすれば妹の部屋の前に食べ終わった晩御飯が出てきているはずだから一時間までの間に最近始めたことをやろう



最近俺が始めたのは小説を投稿することだ

といってもいきなり書いて出版社に駆け込むなんてことはしない、そこまでの社交性なんてあるわけ無いし、そんな知り合いもコネもない


が、俺がネットを漁っていると小説投稿サイトなる物を発見し、説明文を読むと、なんと出版社がやっているサイトで今度のコンテストで上位5名に入るとその小説を出版できるというものだった


こんな素晴らしい物があるなんて知らなかった


ちなみに俺が大ファンである小春先生もこの小説投稿サイトから始めたらしく、小春先生のWeb小説も乗っていた。


俺は既に今回開催されるコンテストに参加している。


ランキングを見ると300人中俺の小説は10位と書かれていた。初投稿の割にはかなりいいんじゃないだろうか?


だが、目指す5位内は道が狭い、しかも一位にはあの小春先生がおり、2位である小説とPV数が1万以上差が引いている。


レビューやコメント数もエグく、小春先生はそれをちゃんと返事をしている。


流石としか言いようがない、新人章で章を取りいち早く書籍化された。しかも書籍化された作品が大きく売れた。実際小春先生の作品の多くがアニメ化されており大好評だった


もちろん俺もアニメは見たがすっけぇ面白い!

キャラ構成や話の流れ、セリフなどもう全てをひっくるめて本当に凄い!


比べてみるとほんと天と地の差だよ。正直比べていて悲しくなったよ。


しかも俺に対してのコメントは『投稿だけは他の作者さんよりも早いですね^^』『内容はともかく投稿だけは凄いく早いですよね!』『投稿頻度高いけどニートですか?』とかもう俺の悪口しかないんだよ!


俺なんて投稿数を増やして少しでも読者の方々に目に留まるようにしているのに何この有様は!?


そんな考えをしながら通知のアイコンを見るとコメントが1件、レビューが1件来ていたから一応確認する。悪口ばかりだが、これでもコメントをくれるのは大変モチベーションに繋がる。


俺は自分のマイページに飛んで送られてきたコメントを見る。


『個人的にキャラの性格が被りまくってるのがどうかと思いますが、それでも十分に面白い内容です!投稿頻度も早いですので毎日楽しみにしています!』と書かれていた


な、なんだここまで褒められるとは初めてだ!最初なんか言われたがそれでも物凄く嬉しい!


このコメントをくれたのは誰だろう?


俺はコメントをくれた人の名前を見ると―――



「へ?」



コメント名は『小春』と書いてあった



「ええええぇぇぇぇええ!!!???」



俺は叫んだ、当たり前だろうが自分が大好きな人からこうやって好評のコメントを貰えたのだ、小説を投稿している身として嬉しいはずがない!



そうすると壁からドン!と叩かれた、その壁の向こうには引き篭もりの妹がいる。

俺は叫び過ぎて妹の部屋まで声が漏れていたのか……


いや、そんな事よりもあの小春先生からだぞ!?

小説家になりたい人なら誰もが尊敬している小春先生から直々にコメントを貰えた!?


小春先生は雑談配信という名のコメント返信配信では他の小説を読むことがあるんですか?の質問に対し『読むことはあるが、基本評価やレビュー、コメントは残さない』と言っている。


そんな小春先生が何故俺なんかの小説にコメントを………


ま、まてレビューだもし、もしもだがこの流れからすると―――


やっぱりレビューも小春先生からのものだった


一応偽物かどうか確認するため小春のユーザーネームをクリックする。そうすると小春先生のページに飛んだ


これは確実に本物だろう


ま、マジか………


お、俺もついにここまでの男に成り上がったのか…?


これは絶対に小説家になって小春先生にお礼をしなくちゃ!






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