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ロリっ子かけっこ  作者: 豆の芯
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楓の過去

「私、実は1年前までは陸上やっていたんです。」




唐突な告白に僕は動揺を隠せなかった。しかし、何故楓ちゃんが陸上競技から離れる事になったのか、楓ちゃんの次の言葉を待っていると、




「秀太、後は俺から説明する。…楓は車の中で休んでいなさい。」




「…はい。」




次の言葉が出なかった楓ちゃんを見かねてか、伊藤さんが横からすかさずフォローをいれる。そして何か落ち込んだ様子で車へ戻ったのを見届けると、僕は伊藤さんにさっきまでの話の続きを求めた。




「伊藤さん、教えて下さいなんで楓ちゃんが陸上を止める事になったのは。」




少しの間が空いた後伊藤さんは口を開いた


「正確に言うとまだ楓は陸上を辞めてはいない。今まさに訓練中と言った所だ。」




「?どういう事ですか。」




「正直な事を言うと、楓の走りの才能はあいつの母親…新井渚を超える物を持っていると確信している。」




僕はその言葉特に「才能」というワードを使った伊藤さんに対して驚きを覚えた。


伊藤さんは、何故か「才能」という言葉を使いたがらない。それだけ、その言葉に対して重みを感じているのだと僕は思う。しかし、そうなると更に謎が深まる。僕は疑問に思った事を聞いた




「なら、何故今練習をしていないんです?それだけの才能がありながら。」




「確かに楓は、走りの部分では現状全く問題は無い。しかし、圧倒的に足りない部分が一つある」




「圧倒的に足りない部分?なんなんですかそれは」




「メンタル、精神力…それが唯一今の楓に足りていない部分だ。原因の目星は付いているんだが。」




「その原因というのは?」




「新井渚、楓の母親が原因だ」




何故、そこで渚さんの名前が出てくるのか僕には理解出来なかった。少し思考を凝らしていると、




「秀太、今渚が何処で何をしているのか知っているか?」




「足の怪我で引退された後のことはなにも知らないです。」




「秀太、今から言う事は誰にも言うな。特に楓には。…今渚は、中国で楓と同じ歳の女の子と暮らしている。それ以外のことは、何も教えてはくれなかった。そして、その際に俺が渚に頼まれた事が二つある。一つが今取り組んでいる、楓のメンタル強化。もう一つが、秀太、おまえに楓のコーチをやって欲しいそうだ。」




一度に様々な情報が入ってきて、イマイチ状況が掴めない。


何故渚さんは、中国で暮らしているのか。そして何故僕に楓ちゃんのコーチを。どういった意図でそう言う考えに至ったのか。やはり幾ら考えても、考えはまとまらない。


すると伊藤さんは、ポケットから四つ折りになったメモ用紙を取り出した。




「明日この時間に青葉陸上競技場に来てくれ。質問したい事が山ほどあるだろうがここへきてくれたら、ある程度理解してくれる筈だ。」



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