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第3章
雨が降った。降って、降って、降り続けた。
そして、4人の住人が消えた。
ブルーは荒れた海の中。沈んで、沈んで姿を消した。嵐が去った海の上には、白いユリの花束が浮かんだ。
ホワイトは遠くの国の何もない雪原の上。寒くて、寒くて眠ってしまった。そんな彼女の隣には、愛する亭主の墓が佇む。
グリーンはヨモギと間違えてトリカブトを誤飲。苦しくて、苦しくて息ができなくなった。彼が愛した1匹の猫と、一通の手紙と共に、求めた親の元へ帰ってきた。
ブラウンは深い穴に落ちて生き埋め。暗くて、暗くて気が狂った。だけど、彼がいないことに気づく者はいなかった。
ブラックは罰を受ける。
自らが生きる限り、住人の望みを叶えなければならない。
彼はとっくの昔に良心を捨て、自らが壊れるのを待っている。
しかし、何も知らぬ住人達は、彼に罰を与え続けるだろう。