十分だよ
あなたが笑って
いま腕の中にいる
それだけで十分じゃないか
笑顔を振りまくあなたが
皆を癒すあなたが
腕の中で泣いている
それだけで十分じゃないか
ふと、あなたが好きです なんて
胸に秘めた想いを伝えそうになり
喉の奥を締める閉める
頭を左右に振る小さな あなたから
立ち昇る僕の知らないシャンプーの匂い
不意に強く抱きしめそうになる
もうそれだけで十分だよ
心で声にして
空を仰ぎ 唇だけで想いを紡ぐ
(ずっとあなたが好きでした)
この世の終わりみたいに静かな夜
この世の終わりでもいい静かな夜
動かした唇から声が漏れないかって
閉めた喉が開いてしまわないように
想いが溢れないように
ただ ありがとう だけ伝えて
君が泣き止むまで
僕の胸のドキドキ落ち着いて
君のドキドキに近づいて
でも 一緒になるのが怖くて
僕は君を送り出したんだ
大丈夫だよって
全然大丈夫じゃない僕の
うわずりかけたその声に
世界が初めて色づいて
君は安心したみたいに
君は帰って行ったんだ
さよなら
胸に手を当てたら いつでも会える
さよなら
ずっとあなたのことが好きでした
さよなら
ずっとあなたのことが大好きでした