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聖騎士マーク物語  作者: 海埜 ケイ
30/31

後、少し



 城に到着すると、すぐに客間に案内された。仕事柄、城内を自由に歩きまわれる分、変な感じがした。城には結局、ユランも付いて来た。

 客間に通されると、マークはまず、正装に着替えされられ、身支度を整えられた。ここまでは、慌てて連れてこられたので、寝巻きのままだったのである。それが、終わると備え付きのベットに寝かせられた。

 ユランは壁に背を預けながら、ベットに横にされるまでの間中、ずっとマークを一秒も逃さずに睨み続けている。シリウスは特に気にすることもなく、ソファーに座り目を閉じて瞑想を始めている。

 双子の為、よく似ていると思っていたが、かなり差は出るらしい。兄のシリウスは真面目でのんびり屋だが、弟のユランは真面目だが疑い深い性格をしている。

 普段から避けていた兄たちと、こんなに一緒にいるのは初めてかもしれない。

 会話もなく、数時間が経つと、ようやく案内のものがやってきた。


「シアルファ様方、お待たせいたしました。謁見の間へどうぞ」


 眼を伏せたまま話す案内人に、シリウスは立ち上がりマークの横に立った。


「申し訳ないが、呼ばれている者は重体なので、我々も付添い人として窺っても良いだろうか?」


「問題ありません。シアルファ家のご子息方を、全員お連れしろとの命でございます」


「そうか」


 シリウスは感慨も無く答えると、マークの肩に腕を通し、起き上がらせる。骨を貫くような痛みに、マークが顔を顰めると、ユランは愉しげに口端を上げて黙ってみている。

 ここまで来る間中、ユランは一切、手を出さずにシリウスの動向を見守っていた。呆れるような蔑むような瞳を向けているだけだった。

 案内人に連れてこられた謁見の間の扉は、あの時と同じように、マークの前に聳え立っていた。過度な装飾品は一切使われていないが、職人たちが端正込めて造られた扉は、一種の芸術とも呼べる代物だ。

 この先に、マークを待っている人々がいる。

 案内人が扉を開けた。




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