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Ⅶ 消えず
頭から彼女が微笑む姿が消えない。
少し火照る頬。
鳴り響く心臓。
僕はどうしてしまったのだろうか・・・。
ここ最近、メアリーを見ると自分で無いような感覚がする。
いつか狂ってしまい、自分にブレーキがかからなくなりそうでとても怖い。
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その夜から、奇妙な出来事が始まりだすのであった。
いつものように僕はベッドに入り、いつものように目を瞑った。
目を閉じると彼女の姿が浮かぶ。
次に浮かんだのは城の入り口。
僕は、暗い夜道を進み城の中へ入り、あの(・・)階段を上る。
そして、部屋に入った。
見たことの無い部屋である。
白いレースカーテンに高貴な模様が刺繍されている布団。
そして、その布団をかけて寝ているのは、メアリー。
鼓動が早い。
迷わず声を掛けてしまった。
「メアリー? 僕だよ。」