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Ⅴ 上ずる

僕は一体、何者なのか、そんなことを考えながら今日も仕事に行った。


そういえば、上司のメイソンさんによると最近、城内に食品を届けることが多いのは

この国の王女が頼み込んでいるらしい。


昨日、衝撃発言をしたルークは休みのようだ。

正体を僕に明かしたからだろうか?


そうこうしているうちに、城に着いた。

今日は、オレンジだ。


トントントン・・・

「今日は、オレンジなのね・・・。」

彼女だ。

「あ、はい!」

声が少しだけ上ずる。


「ごめんなさい、私、オレンジは苦手なの。」

「そうなんですか・・・。」

それから、彼女は思い出したように口を開いた。


「前から、聞きたかったんだけど、貴方の名前は?」

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