Ⅳ 生立ち
僕が、ヴァンパイアと人間の混血だと分かったのは15歳のときだった。
それは、僕の祖母から聞いた。
僕が、生まれて間もないときこの町ではある事件が起きた。
それは、「町の女性が消えてゆく」というものだった。
そんな時、ある女性がこんな証言をしたらしい。
「犯人は、吸血鬼だ」と。
僕の父は、人間として過ごしていたが、なるべく目立つことが無いように生きてきた。
そう、正体がばれることが無いように____
しかし、その証言によりこの町でヴァンパイア探しが始まった。
ばれる事を恐れた、父と母は幼い僕を祖母に託し、姿を消したという。
勿論、僕は両親のことを覚えていない。
祖母が言うには、両親はどこか人気の無いところでひっそりと暮らしているらしい。
ちなみに、町の騒ぎは僕が2歳のときぐらいに収まったらしいが、
今も若い世代に語り継がれている。
何故僕が15歳になるまで混血と教えられなかったかと言うと、
もし、それを知って僕が吸血鬼のようになってしまったりでもしたら、
町の人々に姿を消される_____
祖母はそれを回避するため言わなかったらしい。
そのおかげで僕は今も人間らしく生きてきた。
勿論、誰がヴァンパイアだとか判別も出来ない。
今まで生きてきて無かったこの血が騒ぐ感情は、もしかしたら・・・・
僕は、吸血鬼なのだろうか・・・