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Ⅲ 不思議
「では、また。 ごきげんよう。」
そう言って彼女は去ってしまった。
何なんだろうか、あの感覚は。
「レイン・・・。」
誰だろう。この声は・・・
「レイン・・・。」
周りを見ると、声の主はルークだった。
「なんだい?」
「レイン、君は何か隠しているだろう・・・」
一体、ルークは何を言っているのだろうか?
相変わらず表情は変わらず、感情は読み取れない。
そんなルークが、無口なルークが口を開くとは何かあるのだろう。
「感じていたのだろう? 彼女の不思議な香りに・・・」
「え・・・?」
ますます、訳が分からない。
確かに、妙に血が騒ぐ感覚はあったけど・・・。
「君と私は仲間の様だな・・・。」
「仲間・・・?」
「私は、ヴァンパイアだ。」
え・・・。
「僕はヴァンパイアなんかじゃない!」
「分かるんだよ。 君の香りから・・・」