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40〜2×音+間〜
ノワールは暗闇の中、色々な所から聞こえる音や声に精神が削られていく。
「…うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさい…」
ノワールの中が嫌な記憶が再生される。
「ほら、あの子よ」
「不気味よね」
ひそひそと会話をしながら慄く瞳で少女を見る。
「あれが化け物か」
「あんな子供が」
少女は視線を向けると話をしてる者達は目を伏せる。
「見た目に騙されるな、人の生き血を啜るらしいからな」
周囲の者達、恐れ抱いて遠巻きから見ているだけで誰も少女に近付く者はいない。
少女は駆け出す、行き交う人の間を音から逃げるように。
そして、暗闇が訪れる。




