39〜ALICE REPLICA 〜
何処かの地下にある墓所。
「…やつは一体何者なのだ…」
ノウル・エッジは眼帯に片手で触れて呟いた。
「くっ…文字列の崩壊が止まらぬ…」
眼帯の縁から止め処なく血が流れる。
「おやおや、お困りのようですね」
突然、ノウル・エッジの前にリンゼンが現れた。
「……何の用だ!?…」
「どうも、お困りのようなのでこれを」
リンゼンは黒い月の満ち欠けが合わさる金色の球体を差し出した。
「…どうしてそれを持っている…」
「先程手に入れましてね、ですが本物ではなくレプリカですがね、しかし、進行を止めることが出来る力はありますよ」
ノウル・エッジは黒い月の満ち欠けが合わさる金色の球体を受け取り、眼帯を外して球体を瞼に宛がった。すると球体はノウル・エッジの内部に浸透していった。
そして、暫くして流れ出ていた血は止まり、手で残った血を拭い去ると眼帯を着けた。
「…何が目的だ」
「いえ、特にはないですね」
「エペのALICE REPLICAまで用意しておいて何もないわけなかろう…まあ、駒に問うても意味は得られぬまい、設定通りならば偽りの王が盤上から降り、真の王が現れたのだろう」
「それはどうでしょう」
「駒が何を企んでいるか知らんが真の王が現れた今、駒は全て一つとなる」
「………ふっ」
リンゼンは小さく笑うとそのまま姿を消した。
「あの様子だと主柱となる設定には影響はなさそうだな。では、王が全ての駒を揃える前にことを進めなくてはならないが…」
ノウル・エッジは教会の出来事を思い出し続けた。
「…気になるのは設定にはなかったビショップに扮していたあの女か…」
「眠る死者の墓前で何をしているのです」
フード付きのローブで姿を隠した少女が同じく姿を隠した背の高い男を引き連れて現れた。
「丁度いい」
「?」
少女は首を傾げた。するとノウル・エッジは拳を作り、すぐ開き中から手の平に浮かぶ、三角形の石が現れた。
「この石が示す先にいる者を消してこい」
少女は投げ渡された石を受け取ると背の高い男を引き連れて出て行った。
少女と背の高い男は地下墓所から出るとそこは崩壊した薔薇の塔だった。
「大変ね、演技をするのって」
少女はフードを外すと顔が露になる。
それはアリアだった。
「でも、実際の所どうなの?レギオス、ノウル・エッジは改変前の私達と知ってて指示を出したのか、それとも、改変後の私達と思って指示を出したのか」
「どちらにせよ、やることは変わらない」
「うん」
二人は石の示す方へと歩みを進める。




