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33〜無限書庫〜
天井と扉一つない円筒形の部屋、部屋の壁一面は全て棚で本が敷き詰められていた。
その部屋の中で一人の老人がいた。
「全く困ったものだな」
一冊の本を開きながら老人が言った。開かれた本のページには根本から破られたページがあった。
「まさか、こちら側に干渉できる者がいるとはな…しかし、此処にあったのは………」
老人は暫し考えた。
「……そうか、ノブレス……」
老人は思い出したかのように言うと本を閉じた。そして、本を棚の空隙にいれると部屋の中央の床に光の輪が現れた。
「…では、ゆくかの」
老人は光の輪の中に入ると光の輪は浮き上がった。
老人の足元から姿が消えていき、光の輪が老人の頭の先までいくと光の輪は広がり、本を伝って上へと消えた。




