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19〜盤上の女王〜
王の執務室で金色の髪の美青年がチェスの赤いクイーンの駒を持ち言った。
「まずは一人…」
すると赤いクイーンの駒に亀裂が入った。そして、赤いクイーンの駒を机の上にあるチェス盤の脇に置き、盤上の黒いクイーンの駒を手に取った。
「さて、白のクイーンはどう動く」
金色の髪の美青年は黒いクイーンの駒を置き、白のクイーンにチェックをかけた。
盤上には、黒と白の他に緑、青のクイーンの駒が置かれていた。
「いや、偽りから目覚めし黒のクイーンが動きを止めるのか、すべては盤上の理に尽きる」
金色の髪の美青年は椅子から立ち上がり、窓から外を眺めた。




