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AreCE//shuffle  作者: シオン
14/52

14〜三人目のアリス〜


ノワールとチェシャ猫は森の中を歩いていると突然、木々の合間から目の前にルージュが現れた。


「こんな所で会えるなんてついていますわ」


「誰だか知らないけど何の用?」


「忘れたの?会うのは初めてじゃないわよ、まあ、あの醜い姿から比べれば無理はないけど」


「何を言っているの?」


「ハートの女王だにゃ」


チェシャ猫は小さな声でノワールに言った。


「あの女王?見た目は確かに違うけど心中から滲み出る臭いは一緒ね」


「言ってくれるわね」


ルージュは斧を取り出し、いきなり振るってきた。ノワールとチェシャ猫はそれを躱すとノワールは大鎌を構えた。


「何をするにゃ」


「ちょっとした挨拶よ」


ルージュは斧を納めた。


「またの機会に会いましょう」


「待ちなさい!」


ルージュは後ろに振り返るとノワールは大鎌を振い、喉元で止めた。


「何か?」


「何か?じゃないわよ、いきなり斧を振るっておいて何もなしで済ますつもり?」


「そうね、では一つ、この森に住む少女には気をつけることね」


そういうとルージュは素早く身を屈めて地面に手をつき、大鎌の刃を蹴り上げた。


ノワールは体勢を崩してのけ反ったが、すぐに体勢を戻す。しかし、そこにはもうルージュの姿はなかった。


「逃げられたみたいね」


「その内また会えるにゃ」


「何でそんなことが分かるのよ」


「彼女もアリスの一人だからにゃ、赤のアリス、その名の通りの歩いた後には鮮血の跡が残るにゃ」


「一体、何人いるのよ」


ノワールはそうぼやくとチェシャ猫が答えた。


「僕が知っているにゃかではあと二人にゃ」


「知っている中ではってことはその他にもあんな奴がいるのね、面倒ね」


「残りの二人は君達三人に比べたら穏やかな方だと思うにゃ」


「残り二人がどんな奴か知っているの?」


「もちろんにゃ、さっき赤のアリスが言ってたにゃろ?」


「たしか、この森に住む少女には気をつけろとか言ってたわね」


「この森にアリスが一人いるにゃ」


「じゃあ、案内なさい」


「でも…」


「確認しておいて問題はないでしょ?」


「分かったにゃ」


チェシャ猫に案内され、ノワールはウェルズの森にいるアリスの元へ向かった。


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