12〜ゲーム〜
「さて、教えてもらいましょうか?」
黒のアリス、ノワールはチェシャ猫に迫るとチェシャ猫は暫しの沈黙の後、答えた。
「………仕方がないにゃ…」
チェシャ猫は語りはじめた。
「ノウル・エッジとゆうのはにゃ、簡単に言うとこの世界を創った人だにゃ」
「そんな奴に会ったことないわよ、あの女、どういうつもりで」
「会ったことがあるにゃ、アリスと呼ばれる者の前に必ず現れるにゃ」
ノワールは白のアリス、ブランに刺されたあとのことを思い出した。
「思い当たる節があるようだにゃ」
「まあね、ってそれよりまだ聞きたいことが沢山あるんだけど…それどころじゃなくなったみたいね」
「これは派手に壊したものだな」
瓦礫を踏み付けながらジャックが現れ、アリスはすぐさま大鎌を取り出し構えた。
「何しに来たの!?」
「お前を捕らえるつもりで来たが、その必要はなくなった」
「それはどういうこと?」
「そんなことはそこの猫に聞くんだな」
「僕は何のことだか知らないにゃ、ジャックの言うことなんて嘘だにゃ」
チェシャ猫は言葉とは裏腹に明らかに何かを隠していた。
「本当に知らないなら何故、あいつの名前を知っているのかしら?」
「んにゃ!」
チェシャ猫はばつが悪いような表情を見せた。
「チェシャ、お前が俺の名前を呼んだ時点でこれ以上、隠し立てはできない」
「口が滑ったにゃ…」
チェシャ猫は反省するように呟いた。
「この世界で行われていることはさっき話したノウル・エッジの作り出したゲームなのにゃ。そして、僕達は彼に創られた自我を持つ個体でアリスを支える役目を担っているにゃ」
「だが、それは強制されるものではない、俺達もこの世界の中では生きているからな」
「へぇ、貴方がそんなことを言うなんて以外だわ」
「本当のことを言ったまでだ」
「それで貴方達は味方なの、それとも…」
「僕は始めから君の力になるつもりにゃ」
「そんなふうには見えなかったけど?」
「酷いにゃ…」
見るからに落ち込んだ。
「まぁ、助けてくれているのはわかるけど」
チェシャ猫はノワールの言葉にすぐに立ち直り、擦り寄ってきた。
「何だか、キャラ変わってない?」
擦り寄るチェシャ猫を見ながら思った。
「それで貴方は?」
ノワールはチェシャ猫の行動を無視してジャックに聞いた。
「今の俺はどちらでもない、状況が変わったからな」
「状況?」
「嫌でもすぐにほど分かる」
ジャックはそう言い残し、去って行った。
「ちょっ!待ちなさいよ」
「一体、何をしに来たにゃ?」
「そうねっていい加減に放れなさいよ!」
ノワールはチェシャ猫を蹴り飛ばした。
「それでこのゲームの勝利条件は?」
「………それは自分以外のアリスを殺すこと…にゃ」
チェシャ猫は起き上がると説明した。
「それで白なアリス(あいつ)は私を……でもアリスは簡単には殺せないんじゃないの?」
「それを見つけることもゲームの内にゃ」
「それじゃ、何の手掛かりもなしに探せっていうの?」
「始めはそれしかないにゃ」
「ったく、使えないわね」
ノワールはそう呟くと何処かへ向かって歩いて行く。
「何処に行くにゃあ?」
「さあね」
「待つにゃ」
瓦礫の山を乗り越え、去って行った。




