ジャム
「おはよう健弌。眠れた?」
「いや…あんたは…?」
「メカニックのジャムだ。よろしく。」
彼は俺を機械の椅子に座らせた。
「いまから何を?」
「検査、検査。はい、力ぬいて。はいアーン。」
「あー」
…馬鹿か、俺は。
彼の顔を見ると彼は笑っていた。
と、思いきや全く笑っていなかった。
「虫歯でもあったか?」
と俺が聞くと、
「いや…ちょい待て…」
と答え、パソコンと10分ほど向きあっていた。
「凄いな…」
「何があった?ジャム。」
「これを見ろ。」
俺はパソコンの画面を見て目を疑った。
「冗談だろ?」
「いや、これが健弌の身体の状態だ。見ての通り、頭と左腕以外すべて機械だ。」「だが、ラビットは、義手だと…」
「PAIN-7型だろ?」
「あ、ああ。」
「PAIN-7型は、ハイテッククラウンの義足、義手、人工臓器と接続できる。しかも軍用。」
「軍用?」
「多分洗脳して仲間にするつもりだったんだろ。」
「ハイテッククラウンって、医療製品会社だろ?」
「表向きはな。実際は軍事会社だ。」
「!?」
「で、俺たちは…」
「奴らと同業者。」
「正解。俺たちは…」
「ハウリングレイブン。」
と、壁に書いてある字を指さしていった。
「ったく…最後までいわせろよ。」




