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右腕が痛い。俺の右腕…
無い。無くなっている。
俺は…誰だ?
ああ、そうだ。
16歳の普通の高校生、鈴木健弌だ。
さっきこけて、横をダンプカーが走っていった。それだけのはずだったんだが…あ、やべぇ。眠くなってきた。あー、脚も無えじゃん…
「はっ。」
「気がついたか。健弌くん」
「あんたは…?」
「アンダーソン島袋だ。」
「ハーフか?」
「ああ。コードネームは、ラビットだ。そう読んでくれ。」
「じゃあ、ラビット。あんたが腕を直したのか?」
「いや、直したのは、奴らだ。」
「奴ら…?」
「こっちに来い。」
そう言われ、俺は隣の部屋に案内された。
そこにあったのは、一台のパソコンと、黒いデカイ弁当箱だった。