第63話 病院での診察--三つ子の命と初めての家族への報告
美玲は朝から少し緊張した面持ちで、颯真と手を繋ぎながら病院に向かっていた。
「大丈夫かな……」美玲が小さくつぶやくと、颯真は優しく微笑む。「大丈夫だよ。僕がついてるから」
病院の受付を済ませ、待合室で順番を待つ間も、二人は無言で手を握り合った。
やがて呼ばれ、診察室へ入ると、医師がにこやかに迎えてくれた。
「お二人とも、よろしくお願いします。今日は超音波で確認していきましょう」
美玲がベッドに横になり、超音波の機械が腹部にあてられる。画面に映し出されるモニターに、三つの小さな丸い影が揺れていた。
「……あ、三つ子ですね。心拍もちゃんと確認できますよ」医師の声に、颯真と美玲の顔が一気にほころんだ。
「本当に……三つ子……!」美玲の手が胸にあてられ、涙が浮かぶ。
颯真はそっと美玲の肩を抱き寄せる。「君と、三つ子の命を守れる……幸せだ」
二人は言葉を交わさずとも、抱き合いながら安心感に包まれた。
医師は説明を続ける。「妊娠初期ですので、体調には十分気をつけてください。無理な仕事や激しい運動は避けてくださいね」
颯真はメモを取りながら、「ありがとうございます。仕事の調整や休暇取得も考えているので、ご相談してよろしいですか?」
医師はうなずき、「もちろん。必要であれば、医師の診断書を発行できます。職場にはそれを提出してください」
診察を終えた二人は、帰り道も静かだった。
「まだ誰にも言えない……」美玲がつぶやく。
「そうだね。でもそろそろ、家族には連絡しないと……」颯真も葛藤していた。社会人としての責任もあるし、芸能活動の調整も必要だった。
颯真は会社の同期や後輩たちと連絡を取り、仕事の調整について相談した。
「週末にまとめて作業を調整しようと思う。育児休暇も少し考えないと」
村瀬翼や赤井美波、進藤あかりも親身になって相談に乗ってくれる。
「先輩、無理しないでくださいね。赤ちゃんのこともありますし」美波
「そうですね。体調第一です」あかり
その間、美玲は芸能活動のマネージャー佐藤にだけ、妊娠の報告をした。
「佐藤さん……実は妊娠がわかりました」
佐藤は驚きつつも、すぐに笑顔になった。「おめでとうございます、美玲さん! もちろん、秘密は守りますし、仕事の調整も全力でサポートします」
二人は帰宅すると、改めて家族へ連絡するかどうかで悩む。
「どうしよう……両親に伝えるタイミング、難しい」美玲
「僕が言うよ。まずは家族の顔を思い浮かべて……」
颯真は、母・由美子、父・圭一、姉・麻衣、兄・拓真、それぞれに電話をかける準備をした。
電話口で、母からは心配と喜びの混ざった声、父からは「体調には気をつけろよ」と温かい叱咤、姉や兄からは「私たちも全力でサポートするからね」と励ましの声が返ってきた。
「これでやっと、家族全員に話せた……」美玲はほっと息をつく。
颯真はそっと手を握り、「大丈夫だ、僕たちなら乗り越えられる」と励ます。
夜になり、二人は静かなリビングでお茶を飲みながら、これから始まる三つ子との生活や、社会人・芸能活動との両立について話し合った。
「やっと、少しずつ現実味が出てきたね」美玲
「これからも二人で支え合おう。僕が守る」颯真
日常の中で少しずつ変わっていく生活、そして二人だけの小さな家族の始まりを、二人は胸に刻んだ。
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