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第58話 姉との語らい「幸せにしてあげてね」


 ある休日の午後、表参道の小さなカフェ。

 窓際の席に座ると、木漏れ日がガラス越しに差し込み、姉・麻衣の横顔をやわらかく照らしていた。

 仕事帰りの僕を気遣って、麻衣が「ちょっとお茶でもしようか」と誘ってくれたのだ。


「颯真、最近なんだか顔つきが大人っぽくなったね」

 カップを手に微笑む麻衣の視線は、どこか探るようでもあり、姉らしい温かさに満ちていた。

「やっぱり……美玲さんのおかげ?」


 僕は一瞬言葉に詰まったが、頬が自然に緩むのを抑えられなかった。

「はい。彼女と一緒にいると、不思議と安心できるんです。

 どんなに疲れて帰っても、笑顔で“おかえり”って言ってくれる。

 それだけで、次の日も頑張ろうって思えるんです」



 麻衣はその言葉を聞き、ふっと視線を落とした。

「……あの子ね、いつも強がってるけど、本当はすごく繊細なのよ。

 友達として見てきたからわかる。舞台に立つ姿は華やかで堂々としているけれど、裏ではきっと、何度も悩んで泣いていたはず。

 だから――颯真、あなたがそばにいることは本当に大きいと思う」


 彼女はカップをソーサーに置き、真剣な目で僕を見据える。

「幸せにしてあげてね。これは姉としてじゃなくて、美玲さんの親友としてのお願い」



 僕はその重みを受け止め、まっすぐ答えた。

「必ず幸せにします。僕にとって美玲さんは……かけがえのない存在なんです。

 どんな未来になろうと、僕が彼女を支え続けます」


 麻衣の瞳が潤み、少しだけ微笑んだ。

「……ほんと、頼もしくなったわね。

 でもね、弟としてはまだまだ子供っぽいとこもあるんだから。もしケンカしたり困ったことがあったら、私にすぐ相談しなさい」


 僕は思わず苦笑して、素直に頷いた。

「はい。頼らせてもらいます」



 しばらく沈黙が流れた後、麻衣が小さく声を落とした。

「実はね……美玲さん、この間私にだけ少し打ち明けてくれたの。

 “颯真くんがいるから、やっと本当の自分でいられる気がする”って」


 胸の奥が熱くなった。彼女がそんな言葉を麻衣にこぼしていたなんて――。

「……僕は、本当に彼女にふさわしい人間になれてますかね?」

 思わず弱音のような言葉が口をついた。


 麻衣は即座に首を横に振った。

「ふさわしいかどうかなんて関係ない。

 “お互いを必要としているか”が大事なの。美玲さんは颯真を必要としてる。

 だから、自信を持っていいのよ」



 窓の外では夕陽が街を金色に染めていた。

 その光景を眺めながら、僕は改めて心に誓った。

――彼女を守り抜こう。どんな困難があっても。


 姉との語らいは、僕の決意をさらに強くしてくれたのだった。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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