妹の結婚式
初です。
よろしくお願いします。
ここは・・・?
私はいつの間にか、不思議な空間にいた。
視界いっぱいの星、足元はなんと天の川のような星の道だった。その道のど真ん中に、私は突っ立ていた。
どうして、こんなところに・・・
私はこの場所に心当たりがあった。
「やあ、また会えたね」
ふと、後ろから声がした。
振り返ると、優しそうな好青年が笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「お、おま・・・!」
驚いて声を上げた。
青年は「しっ・・・」と、いたずらそうに口元に指をあてると、こちらに音もなく歩み寄ってきた。
「なんでこんなところに来たんだよ。君の妹がびっくりしてるじゃないか」
「いや、その・・・」
青年は、言葉に詰まった私の頭をポンポンとたたきながら言った。
「馬鹿だなあ、相変わらず君は思い付きで行動するんだもの・・・ま、そんなところが好きなんだけどね」
「・・・っ」
思わず涙が出た。
悔しい。何年たっても、こいつには追い付けない気がする。身長も、人格も・・・。
「私は、もう・・・」
「そんなこと言うな」
力強い言葉に私は思わず顔を上げた。
そこには今までに見たことのない、優しく強い顔があった。
「反省することはいいことだ。だけど、そんなこと言うな・・・」
―君に、後悔だけはしてほしくない―。
「・・・うん」
私はまるで子供の用に頷いた。
「それでよし。ほら、進みな」
私は言われるがまま、前に一歩踏み出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「兄さん、兄さん!」
妹、ハズの声に私は飛び起きた。左脇腹に激痛が走る。
「わ、私は一体・・・?」
「よかった、よかったよう・・・」
ハズのその声に重なるように、銃声が立て続けに聞こえた。
その音で私は瞬時に状況を理解した。
これは、まずいですね・・・
「ハズ、の数は?」
「うう・・・、30そこらですぅ。多分、遊撃隊ですぅ」
「そうか。皆は?」
「負傷者が数人出ていますぅ」
「わかった」
私はそういうと立ち上がった。左脇腹に痛みが走ったが、問題ない。
あいつらめ、妹の結婚式を台無しにして・・・許しませんよ。
私は銃を片手に、歩き出した。
「〈聖星〉のボス、ソウが来たぞ!」
誰かがそう叫んだ。
さぁ、乱闘の始まりだ───
ご読了、ありがとうございました。
ありがちな話ですが、気に入っていただければ、幸いです。