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第48話


 「最後まで、やりきってみたらどうなんだ?」


 「やりきる…?」


 「俺にはわかんねーよ。陸上の難しさなんて。…だから、下手なことは言えねーけど、でも…」


 「…でも?」


 「飛べなくたっていいじゃんか。飛べるってわかって、飛ぶ奴なんていないだろ?」



 きっと、昔の私なら、「何言ってんの」って言ってたと思う。


 良く知りもしないのに、「勝手なこと言わないで」って。



 …ただ、なぜかそんな気は起こらなかった。


 ハルが言おうとしていることが、少しだけわかる気がした。


 

 ほっといてよ。



 当時は、そんなだったよね。



 飛べないことがもどかしくて、グラウンドに立つのが怖かった。


 遠ざかるイメージが、いつからか足をすくませてた。


 自分にしかわからないと思ってた。


 地面に触れた時の感触も、グラウンドの中の空気も。



 飛べるから、飛ぶわけじゃない。


 彼の言葉は、遠い昔の自分の心を叩くように響いた。


 子供の頃、初めて目にしたバーの前で、どうすればいいかわからない自分がいた。


 “怖い”って思った。


 ただの授業の一環で、高さだって、別に大したことはなかった。


 飛べるわけないって思った。


 足を踏み出せなくて、どうしても、踏ん切りがつかない気持ちがあって…



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