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第42話
「で、その猫はどこにおるん?」
「あそこ」
「あそこ?…見当たらないけど?」
「…あれ、あそこにいたんだけどな」
土手の坂道の上を見たけど、いなかった。
…おかしいな
さっきまでいたんだけど…
「未来って、いつ?」
「へ?」
「その話に付き合ってやるから、教えてくれん?」
未来——
ばかばかしいけど、そうじゃない。
当たり前じゃない言葉。
“あり得ない”って思えることが、頭の片隅で弾む。
答えを持っているわけじゃなかった。
すぐに答えられるほどの確かな言葉を、用意できる自信はなかった。
10年後。
2024年。
そんなありふれた言葉たちを、どう扱っていいかも分からなかった。
そのままを伝えればいいとは思うんだけどさ?
難しいじゃん?
映画の中の世界じゃないんだし。
…かと言って、普通じゃないことは起こってるし。
「2024年!?」
結局、そのままを伝えた。
私がいた世界のこと。
「未来」のこと。
それが正しい情報なのかどうかはさておき、私が理解してる範囲内で。




