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第26話



 時々思い出すんだ。



 さやさやと流れる川の音色に、羽田空港から飛び立つ飛行機。


 多摩川のそばに見える景色はいつも雄大で、それでいて穏やかだった。


 彼がこの場所を好きな理由も、なんとなくわかる気はした。


 都内の喧騒からは考えられないほどの静けさが、広い川べりのそばにあった。



 どうせ、ろくでもない場所でしょ?



 俯きがちな視線のそばで、足どりは重かった。


 それどころじゃなかった。


 高校に入学してから、思うようにいかないことばかりだった。


 もっと、すんなりいくと思ってた。


 一日中陸上のことを考えて、いつも、高く飛ぶイメージだけを、思い描いて…。


 

 

 土手へと上がる階段。


 色褪せたコンクリートを踏みしめながら、多摩川の上に広がる景色が、バッと目の前に飛び込んできた。


 橋の上を通っていく東海道本線の電車と、太田区のビル群。


 チカチカと反射する日差しが、川面を飛ぶように泳いでいる。


 さぁぁっと揺れていく草むら。


 緩やかな曲線が、東京と神奈川の境界を切り離すように伸びていく。


 あの頃と何も変わらない。


 何もかもが、そう思えた。


 大師橋の白い鉄橋や、土手の下に続く、広い敷地は。


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