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第20話



 シーツをはぐってベットから飛び起きる。


 その足で、カーテンを開けた。


 久しく見ていなかった東京の景色に、目を奪われた。


 


 「なんで驚いてるの?」


 「…え?」


 「キミが望んだんでしょ?この場所に来ることを」



 猫は不思議そうな目で、私を見ていた。


 この「場所」に来ること。


 視界に入ったのは、一枚の張り紙だった。


 部屋の壁に貼られた、「インターハイ出場」の手書き文字。



 …懐かしい



 そう思うと同時に、少しだけ胸が締め付けられた。


 どこかでわかってた。


 この場所が、遠い過去のものであるということ。


 ずっと遠くに残してきたものであること。


 振り返ろうとは思わなかった。


 あの日々のことを。


 飛べなくなった、踏み切り前の景色のことを。

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