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94話


「よっしやぁ〜〜〜。開いたわよ。……あれ? みんな大丈夫?」


 サラ以外は耳を抑えて身を小さくしていた。


「サラ……。ここ、地下だから……音が響くんだぞ……?」

「そうだね、里道。だから耳栓しておかないと、ね」


 サラが当たり前の事を言うなといった感じで言った。そして、耳から綿状の物を引き抜いた。


「……自分だけ耳栓してたのか……」


 里道がガックリと膝を付いた。


「やぁ〜ねぇ〜。こんな反響する空間で、私がぶっ放すんだから耳栓位しなさいってばぁ〜」

「た……確か……に……」


 リリはキンキングワングワンとする耳を押さえながら苦笑いを浮かべた。


「本当に……ぶっ飛んだ人だな……」

「全くだ……。あ〜。耳がイテェ……」


 竹富もロディも耳を押さえて苦笑いを浮かべる。


「す……すまない……」


 里道が状態異常解除の術を唱える。耳の中でグワングワンしていたのがスッキリと消えた。


「た……助かったわ……。この先は……どう言う状況なんだろうね……?」

「ん〜。洞窟……って言うか通路……? どれ位の長さがあるんだろうな? 光とか見えないから、結構な長さじゃないか?」


 リリとロディは顔を見合わせて悩む。


「この先に進むとしたら悪代官面クソオヤジとの対峙は先送りになるよねぇ……。けど、私は人質救出を優先したい。後回しにしちゃいけないって思うんだけど、みんなの意見は?」

「そうだな。リリの意見に賛成だ」

「俺も、そう思う」

「里道の弟を救う為に来たんだし人質優先よ」

「申し訳ないが……人質優先してもらえたら……」


 誰一人として人質後回しとは言わなかった。


「分かった。悪代官面クソオヤジは、後でキッチリ締め上げよう。じゃあ、行くわよ。油断しないでね」


 その通路は……長かった。果てしがないと思う位に長かった。ゲームじゃなかったら、酸欠で死んでたんじゃないかと思う位に長かった。


(ちょっとぉ……。何キロ歩いたと思ってんの? 何日歩いたと思ってんのよぉ……)


 ゲームだから火を使っても酸欠はなく大丈夫だが、野宿キャンプを何回もした。モンスターと遭遇しないので、ただひたすらに歩くだけだった。


(ゲームだったら短縮とかありそうなのに、マジで歩かせやがってぇ……。帰りはどうすんのよっ⁉ またひたすらに歩くってのっ⁉)


 水鏡の間へ下って行く時にも思ったが、ただひたすらに歩くと言うのは退屈な物だとリリは思った。








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