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87話


 光神の里の神社ぽい建物の前に立ち、リリと里道は光神の里を見回した。


(もし……人質の人達を助けるだけじゃなく、この里を焼くような戦いにまで発展したら……)


 長閑な風景は一変するだろう。自分を慕ってくれていたNPC達はどうなるのだろうと思うと胸に来る物がある。


(迷ってる暇はない……。一刻も早く人質の人達を助けなきゃ)

「このまま屋敷に侵入するわ。ロディとサラは人質達が閉じ込められている所で……」

「へぇ〜。そんなに上手く行くと思ってるんだ?」


 リリが里道と作戦を確認していると、聞きたくもない声がした。


「出たわね、崎野ゴミクズ

「リリ、いい加減その呼び名はやめてくれないと、困……」

「うるさいっ‼ 悪代官面さとおさの腰巾着は黙って消えてくんない? 私、今日は超絶気が立ってんの。いつもみたいに手加減は出来ないから」


 リリはスラリとケーキサーバーを抜く。里道も短刀を構えながら、身体強化を唱える。


「ふ〜ん。2人で敵うとでも?」


 スッと崎野が手を上げるとワラワラと20人程の忍び装束が現れた。


「あんたね……。その程度で、私が怯むとでも本気で思ってる?」

「足りない? なら追加してあげよう」


 崎野が、もう一度手を上げると更にNPCは増えた。恐らく100人程度。


「ウッザっ‼ 画面の処理が大変な事になるじゃないっ‼ 今、画面カクカクよっ⁉ 処理落ちしたら、どうすんのよっ⁉」


 何を言われてるか分からないといった顔で崎野が立ち尽くす。


「ほんっとぉ〜に面倒。崎野ゴミクズ、あんたは私とサシで勝負よ」


 リリがケーキサーバーの切っ先を崎野に向けた。


「へぇ〜。じゃあ、里道にこの人数を丸投げするんだ?」

「里道1人? んな訳ないじゃない。私には心強い仲間が居るからね。パノール。ステルフ」


 厭らしい笑いを浮かべた崎野をリリはニッコリと笑って返す。フワリと現れたパノールとステルフがモワッと大きくなり、中からロディとサラが現れた。


「お……お……お前等、光神の里の掟を……」


 引きつりながら言う崎野に、長い銀髪をかき上げながらサラが笑う。


「あ、ゴメ〜ン。私、光神の里の人間じゃないから、その掟守れなぁ〜い」


 そう言って笑って杖をクルリと回した。


「ま、そう言う事だ。崎野ゴミクズ、覚悟しろよ? リリは今までのリリと一味も二味も違うからな」


 ロディがリリに近寄る害虫を睨みつけながら、スラリと剣を抜いて構えた。







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