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7話


 レオとリスティリア姫が結ばれるであるのは分かっていた。主人公とヒロインなのだから。


 それでも エンディングまでやりきった。見た目だけでなく、優しいレオを見られると言う理由だけで何周もゲームをし分岐をこなし裏ルートも発見した。


(良いなぁ……。私もこんな格好良い彼氏が欲しいなぁ……)


 毎日ゲームしないと落ち着かないぐらいにハマった。


 そんなゲーム漬けの日々の中、学生時代の同級生から合コンの誘いがあり 『たまには良いか』と思い参加して、男の露骨な『身体目当て』にウンザリした。


 更に他の同級生から『あの子が、あんたを合コンに誘ったのは引き立て役させる為だよ? もう行くのヤメときなよ』と言われた。


(もう嫌だ……。三次元なんてクソ喰らえだっ‼)


 一人で一晩泣いて、その後ますますゲームにハマっていった。


【私らしく生きていきたい】


 そう思った矢先に、この状況である。


 ホゥと一息吐き、キッと顔を上げた。


「とりあえず どうやって壁を上るのか教えて。私、出来るかどうか分からないのよ」


 そして感じる気配。


 心配顔のレオが、またもや近付いて来ていた。


(ちょっ‼ ちょお〜〜〜〜〜っ‼)


 心臓が爆速で暴走を始める。


(ゲームとか漫画やアニメだとやたら顔が近くても全然気にならなかったのにっ‼  ……当たり前か……。私自身じゃなかったんだもんね……)


 ゲームや漫画やアニメの距離感と現実での距離感は違うのだと改めて思った。


(は……早くこっから立ち去らないと私の心臓がいくつあっても足りないっ‼  レオにキュン死にさせられるっ!!)

「仕方ない」


 竹富はリリの二の腕を掴むと、その場からヒョイと壁に上った。


(うおっ‼)


 まさに一瞬。気が付いたら壁のてっぺんにいた。


(び……びっくりしたぁ……。てか、竹富も里道もSASUKE出たら優勝出来んじゃね?)


 下を見るとレオが見上げていた。


(もう少しレオを見ていたかったけど……。至近距離はやめてくんないと困る……。多分、言っても無理だよな……。ここン中じゃ……さ)


 何て声を掛けようか迷っていると レオが口元に手をあてて大声で叫んだ。


「リリぃ〜!! 俺は、しばらくしたら外界がいかいに行くっ‼ 戻って来たら、また鍛練しよう〜っ!! 早く記憶を戻してくれよ〜っ!! 早く約束思い出してくれよぉ〜っ‼ 絶対だからな〜っ⁉」


 絶世のイケメンが叫んだ後、ニッコリと微笑まれて惚れないヤツが居るだろうかと思った。





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