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63話


「あ〜の〜なぁ〜っ‼」

「ゴメンっ‼ ゴメンってっ‼」

「リスティリアの事でストレス掛けたの悪かったっ‼ でさ俺、強くなりたいんだよ。世界を見て歩きたいんだ。だから、旅をしよう。オッケー?」


 ガルガルと怒ったクセに、直ぐ真面目な顔でロディは言う。


(コイツ……。そんなに悪いヤツじゃない……? それとも、私のやってたゲームとはキャラが違うだけ?)


 リリがやらなきゃならない事は、リオの要石を探す事。元の世界に戻る方法を探す事。外界に、あんなドラゴンみたいなのがウヨウヨ居たら、命がいくつあっても足りない。


「分かった。私も強くなりたいし、色んな所へ行ってみたい」


 リリが言うとロディが、これ以上ないと言う程に笑う。


「ヤリィ。んじゃ、準備出来たら行こうぜ」

「そうね」

(えっと……毒消しと薬草の補充はしたし、食材は……ちょっと心許ないけど、この周辺から抜ければ食べられるモンスターも増えるだろうし大丈夫よね)


 そして、思い出す。RPGの基本。街についたら武器屋と防具屋の確認。それをしていなかった。


「あのさ、ロディの装備は大丈夫なの?」

「ん? あ〜。まだ、武器屋とか覗いてないんだよな。サラから、ドラゴンの鱗とか売った金の分け前はもらったんだけどな」

「じゃあ、今から見に行く?」


 ロディの返事を聞く前にリリは立ち上がった。リスティリアから離れられるなら、一分1秒でも早い方が、精神衛生的に良いと思う気持ちが行動に出る。


「そうだな。んじゃ、先に武器屋に行くか。ここからなら、武器屋の方が近いしな。行こうぜ……」

「ちょっと待ったぁ〜〜〜〜〜っ‼」


 ロディが内壁の方を指差すと同時に、超絶大きな叫び声が聞こえた。


(この声……。まさか……)

「え? え?」


 ロディがキョロキョロと見回すと、この街にもある転移装置の方から崎野が現れた。


(やっぱ……崎野ゴミクズかよぉ……)

「リリっ‼ 怪我したんなら、何で里に戻って来ないんだっ⁉ み……ブハッ‼」


 外部に知られてはいけない水鏡の話をしようとする崎野の顔面にステルフを投げ付けた。


 ボフッと言う音を立ててステルフは崎野に命中した。


〘リリぃ〜。 こんなヤツの顔面に投げるとか酷いよぉ〜。ボクの体が穢れるじゃないかぁ〜〙

『ゴ……ゴメン、ステルフ』


 ステルフは、汚い物を見るような目で崎野を見ると、羽根をパタパタしてリリに近付き、リリが浄化の術をかけてやるとフッと消えた。








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