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52話


「巻き込んじまってワリィな」

「何よ、今更」


 ロディが、本当に申し訳ないと言う口調で話す。チャラい物言いではなく、真剣な口調で。


「もう良いわよ。とりあえずレオに会えれば良いのよね? レオの居場所は分かってるんでしょうね? 分からなくてアチコチ探し歩くなんて嫌だからね」


 優しく訊きたくても、ロディはリスティリア側の人間だと思うとイマイチ優しくなれないでいた。


「ああ。とりあえず外界に出たら東に向かうよ」

「そう」


(ゲームって処は変わってない。ストーリーや細かな設定は変わってるけどさ……。もし、レオが性格が変わっていたら、どうしよう……。鍛錬場で少し会っただけだからなぁ……。もし……もしリスティリアみたいなクソな性格になってたら、私……え?)


 リリはモンスターの気配を感じた。背筋がゾクゾクする。リリは、ケーキサーバーを抜いて構えた。


 ザザザザザー


 水面が激しく波立つ。


(水の……中っ⁉ 来るっ‼)


 ザパァー


 現れたのは、リリが両手を広げた程もある魚型モンスター。真っ黒の体にヒラヒラした尻尾をしてクルリンとした目が可愛いデメキン。どこからどう見てもデメキン。


(はぁ? デメ……キン……?)


 ロディも抜刀して構えているが、デメキンは水面から出るとビタビタと地面で跳ねた……だけ。


(おまっ!! どっかの跳ねるしか出来ないポケ◯ンかよっ‼)


 リリは抜いたケーキサーバーを鞘にしまうと、デメキンの頭部に思いっきり肘打ちを喰らわせた。


 ゴスッ‼


 その一撃で、動かなくなった巨大なデメキンを指差しながら、ロディは訊ねた。


「リリ……? 何したんだよ?」

「魚なんて、頭に一発喰らわせたら良いだけじゃない。そんなに珍しい事?」

「へ? そうなのか?」


 リリは、もう一度ケーキサーバーを抜いて、エラ付近を刺した。


「それは?」

「トドメさしただけ。これは……」


 ステータス画面を広げてモンスターに毒などがないのを確認する。


(毒はなし……か。てか、どう見てもデメキン……なんだよねぇ……。まぁ、魚だし食べられるよね? 味は分かんないけど)


 ヒラヒラした尻尾は売り物になるかと思ったのと運ぶのに邪魔だと思い切り落とした。鱗も売れそうだと思ったが、とりあえず野宿キャンプしている所に運び、鱗を丁寧に落として三枚におろし、大きな木の葉に並べて食べた。


(久々の刺し身だぁ〜)


 リリの機嫌はあっという間に直った。単純な物である。






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