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37話



 リリは、竹富と里道を森に残し一人で城へと入り、堂々と歩いていた。


(諜報活動じゃなきゃ堂々と城内を歩いて良いなんて、ゲームとは言え雑よねぇ〜)


 レオは、あの日『外界に行く』と言っていたからか一度も会わなかった。


(レオに会いたかったなぁ……)


 広い城内をスタスタと歩く。


 リオも同じように歩いてたから迷う事はなかったが、だからと言って兵士でもない服や貴族っぽい服でもないのに誰一人気にしていない。


(反リスティリア派の人間は光神の人間が探ってんの気付いてないのかなぁ〜 。普通、気付くんじゃね?)


 のんびり散歩がてらリオの記憶をなぞり、自分の目で見て確認するように歩いていく。


 その時、後ろから声を掛けられた。


「おい、お前」

「あ゙あ゙んっ⁉」


 リリは思いっきりドスのきいた声を出し振り返った。


 そこに居たのは、ピンクの長い髪にチェリーピンクの瞳。ピンクのフリフリヒラヒラフリルこれでもかっ‼ のドレスを着たお姫様リスティリア・モリオーネ・ハルジオン。


 リスティリアの隣には、濃紺の髪をツンツンと立てて、少し目付きの鋭い黒い瞳のイケメンのローディス・ガルウィ。


(あ……。ロディとリスティリアだ)


 リスティリア姫が、怖い物を見るような表情かおをして、そっとロディの後ろに隠れた。


(あ……ヤバ)


 ヒロインをビビらす脇役……。しかもボツキャラなんて有り得ないだろう。


(いやいや。悪いのは私じゃないってのっ‼ ロディが初対面ファーストコンタクトにも関わらず『お前』なんて言うからよ? 私は悪くないかんね?)


 『メインヒロインを脅したからボツキャラになりました』


(こんな理由でボツキャラになったのとかないよね? リオはちゃんとわきまえてそうだし)


 ロディが苦虫を噛み潰したような顔で見ている。


「何? 言いたい事あんならさっさと言って」


 リリはやけくそ気味で言う。


(第一印象最悪……。ま、良いけど)

「口の悪い女だな」


 ロディがそう言って頭をボリボリかきながら溜め息を吐く。


「は? 見ず知らずの人間に、いきなり『お前 』呼ばわりされて、そっちの印象が良いとでも思ってんの? 『お前 』は?」


 売り言葉に買い言葉。


(レオ以外はアウトオブ眼中よっ‼ ……確かにロディとレオは友達だけど、悪いのは私じゃないわっ‼)


 目一杯開き直った。 






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