36話
竹富の答えに 吹き出してしまった
「いつでも… とはいかないけど 材料が揃ったら いつでも作るわよ。食べなさい。里道との交代時間まで あんまり時間ないわよ? 」
竹富は 深く頷き 竹のスプーンでカレーを食べ出した
「美味い。リリに 食事の準備をさせていると里長が知ったらお叱りを受けるでしょうが これは 美味いな 」
「そう? まだ たくさんあるから 」
( 一人暮らしをしてたから 誰かの為に料理をするとかなかったな…。料理は好きだけど つい 適当になっちゃったし )
料理をする時間があるなら ゲームをして 現実逃避をしていた
(人といるのが苦手… 。いつから こんな性格になったのかな… )
現世では そうだったのが こちらに来てから 少し変わった気がした
(竹富も 里道も 友達にはなれないよな。リリは 時期里長だし )
里長になれば こんな風に 野宿する事もなくなる
(そもそも 私は 向こうに帰るんだから… )
リオと交代した時の為に カレーなどのレシピは しっかり ステータスに残そうと思って リリは 後を 竹富と里道に任せ 道具屋で買ったばかりの寝袋に潜り込み眠りについた
翌朝
結界を通した朝日が顔に当たり リリは目を覚ました
焚き火などは しっかり後始末がしてあり 焚き火跡の向こう側で 木にもたれ 里道が寝ていた
(横になって寝なくて疲れ取れるのかぁ〜? )
そう思った後 ゲーム内キャラと言う事を忘れてる自分に気付く
(掛布団すらかぶれない世界だもんな )
リリは そっと寝袋から這い出す
さすがは忍者
「リリ。目覚めたのか 」
「ゴメン、里道。起こしちゃった? 」
「構わぬ。それより 時期里長が 安易に謝るものではないぞ? 」
(分かってるけど 悪い事したなって思ったら謝るのが常識なんだよ… 。常識知らずが多いから苛つくんだけど 私は 謝らないってのは出来ないんだよ )
謝ったら負け
そんな奴等を大勢見て来た
そんな奴等とは合わないと関わりを断って来た
【 私のプライドは 謝ったごときで どうこうならない。自分の非を認められない方が恥だ。そんな奴等とは こっちからお断りだ。安っぽいプライド振り回して生きてきゃ良い。今後一切 私に関わるな 】
(何度 このセリフ口にしたっけ… )