34話
「おじさんが運べないなら 運べる大きさにカットしてあげるわよ? もちろん おじさんの言う通りに切ってあげる。何なら 私達が運んであげるわ。どうする? 」
リリは これ以上ない提案をしてみる
「あんた 狩る方も一流だが 商人の才も一流だな 」
道具屋の店主は ニヤリと笑う
「ありがとう。最高の褒め言葉だわ 」
商談成立
リリと道具屋の店主は ガッチリと握手をした
思った以上の資金と最高級の砥石をゲットして リリは ホクホク顔で歩いていた
(武器が買えないなら 良い砥石をゲットしておくのはハンターとしての常識よね )
竹富と里道は 砥石をニヤニヤと見詰めるリリから距離をとる
(何よぉ〜‼ 砥石は大事よっ⁉ これがないと 討伐に時間掛かるんだからねっ‼ )
的はずれな事を思いながら 道具袋に砥石をしまう
テディベアは 可食部が 殆どなかったが 光神の里に向かう時に越えた森には 食用になるモンスターがいるのは分かったので 食料確保に焦りはなかった
(テディベア 討伐に時間は喰うけど 鯨ばりに 殆どが売り物になるし 資金に困ったら テディベア狩りするのも良いなぁ〜 ♪)
レアモンスターっぽいのが ゴロゴロいるとは思えないが 【 見付けたら必ず狩る 】と心に決めたリリだった
森を越え ハルジオンの街に着いた
(ハルジオンの街は 何の変化もなさそう… )
NPC達は 明るく笑いながら生きている
貴族街も 変わらなかった
(私のやってたゲームでは 始まりは 街の中で お忍びのリスティリアとロディが出会う所からだった… 。リオの記憶とは違ってたな… 。リオの記憶では 私がレオと鍛練している所からだった。じゃあ やっぱり リオが主人公のパターンだと レオと鍛練して 街に出て パーティメンバーを増やして 旅に出る… )
リリとレオの鍛練シーンは不要とされてもおかしくない
【 リリは 主人公じゃなくなったから 】
(やっぱ 主人公の変更って事… よね )
キョロキョロしながら 店を見て回る
NPCの店では 買い物は出来なさそうだったが 見ているだけで楽しかった
(つまんないかと思ってたけど 意外と楽しいモンなのね〜 )
リリは 人生初のウィンドウショッピングを楽しんだ