表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/134

27話


〘 私の部屋には侵入者対策の術が施してがあるの。リリなら解除出来るから大丈夫よ。ただ、解除前には周りをしっかり確認してね? 特に気を付けなきゃならないのは……〙


「リリぃ〜」


 背後からネバっこい声がした。


 その瞬間、リリはケーキサーバーを抜いていて、そいつの喉元に突き付けていた。


「ヒィっ‼」

「それ以上私に近付いたら、転がったアンタの首が首無し死体のアンタを見る事になるけど?」


 普通ならば通報モノの物騒な事を言い、男の腹に蹴りを喰らわせた。


「ゴフゥ!!」


 吐きそうな声を出して吹っ飛んだ男は、ゴロゴロと廊下を転がって行った。


〘 特に、﨑さきのには気を付けて。どうやって里長に取り入ったのか分からないけど、私の……リリの許嫁いいなずけにおさまった男よ。隙あらば体目当てで近寄って来るわ。何をしても良いわよ。死なない程度にならね〙


 リオもリリに負けず劣らず物騒な事をサラッと口にした。


(コイツが、﨑ゴミ……か)


 背後から近付きながら胸元に手をやっていたから、手加減なしで蹴り飛ばしたからかかなり痛がっている。


「ゲホッゲホッ……。酷いなぁ……。許嫁なのに……」


 腹を押さえ廊下にうずくまりながら、﨑野は恨めしげにリリを見た。


「私の婿になりたいなら私より強くなる事ね。私は、私より弱い男を男として認めない」


 ビシッと指差して、ついでにベェーと舌を出して、自分が通れるくらいの大きさだけ侵入者対策を解除して室内に入った。


「リリぃ……」


 﨑野の情けない声が遠ざかる。


(これ便利よねぇ〜 。音まで遮断してくれるとか便利過ぎ。 現世リアルに持って帰りたいなぁ〜)


 誰も居ないリリの部屋で思いっきりググ〜ッと体を伸ばす。


(全く……。ヤル事しか考えてないような奴が許嫁とか、どんな罰ゲームだっつうのっ‼)


 蹴り飛ばした時のフニャフニャした筋肉どこだっ⁉ みたいな腹も、転がって行く時のダルった尻も1ミリも男を感じなかった。


 しかも受け身も取れない身体能力。


(あんなのが許嫁とか、やっぱあの悪代官面は中身も悪代官だろ。金を積まれたのか、女をあてがわれたか知んないけど、私は絶対っ‼ ぜぇ〜〜〜〜〜ったいっ‼ あんなのの嫁になんかならないっつぅのっ‼ 断固お断りだかんなっ‼)







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ