表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/134

26話


 水鏡の石組みの中から手を引き出し、リオと合わせていた右手を見詰めた。


(リオ……。リオを助ける事が私を助ける事にもなるはず。私、頑張るからね? 待ってて、リオ)


 確かに不安はいっぱいある。


 自分がリリとなった事で、ゲームクリアがどうなるか分からないのが一番の不安だった。


 だが、進むしかないとリリは顔を上げた。


「竹富」


 これまでと同じように竹富を呼んだつもりだった。


 だが『何か』が違っているのを感じたのか、竹富はビクッと肩を震わせた。


「竹富?」

「あ……はっ‼」

(何だ……? リリがリリじゃない……。いや、リリなのだがリリじゃないような……)

「里長に任務報告をしに戻るわ」

「はっ‼」


 真っ直ぐ背を伸ばし歩く姿は、次期里長として相応しいと竹富は思った。




 リリは里長に任務報告をした。


 リオの記憶ではあったが何の問題もなかったようで、里長は頷き次の任務の交代までの一週間を休息すると言った。


(今の任務は、大半が反リスティリア派の奴等の動向を探る事……。つまり光神の里はリスティリア派。恋敵……リオはレオに対して好意があった訳じゃないけど、私にとっては恋敵の警護や反リスティリア派の諜報活動……かぁ……。何か恋愛物でよくある好きな男の子と親友を応援する悲しき役柄って感じよね……。私って本当、メインヒロインになれないのよね……。ハァ……)


 悪代官面の悪役声をウンザリした気分で聞いていた。


(こんな悪代官面してても里長になったんだよね、コイツ。前里長を闇に葬った……とか、事件の匂いしない?)


 某小学生探偵ばりの観察をしてみるが、所詮ゲームのキャラデザ。


 それっぽい風体にしたのだろうと思い、話が終わるのを待ってさっさと自室に戻る事にした。


 リオの記憶によれば、リリは実力を認められ次期里長となってから里長の屋敷に住んでいるとの事。


(リオの記憶のお陰で屋敷内も迷わないし、助かったわ)


 日本庭園っぽい庭を見ながら長い廊下を歩き、離れ(東京23区内だと豪邸の部類に入るぐらいの)の、どう見ても襖の前に立つ。


(確かこの離れは、リオにしか解除出来ない術で封印されてるのよね)


 リオの記憶が、ガッツリバッチリ抜かりない侵入者対策をしていると教えてくれていた。


(こんな長閑のどかな所で……?)

と思ったのだが、それには重大な理由があった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ