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22話


 水鏡の間は周りを岩に囲まれた三十畳ぐらいの広さで、真ん中に腰の高さぐらいの石組みの井戸っぽい物があった。


 周りには、白く発光しているフヨフヨした物が浮いていた。


(これって心霊現象とか起きる時のオーブって奴……?)


 そのフヨフヨが体の周りに近付いては離れるを繰り返している。


(身体検査……みたいなモン……?)


 悪意や敵意を感じないから、恐らく侵入者チェックみたいな物かと思い、しばらく立ち尽くしてみた。


 フヨフヨは一通りチェックをして敵認識をしなかったのか、またただ漂っているだけの状態になった。


(とりあえずオッケーもらった……って事ね?)


 意思の疎通は出来ないが、まとわりつくのをやめたと言う事はそう言う事なのだろうと水鏡に近付いてみた。


(これが……水鏡……)


 水面なかを覗き込んでみたが真っ暗な空間があるだけだった。


(何もないように見えるんだけど……。水鏡に触れるって竹富は言ってたから、もしかして手を入れれば良いって事……よね?)


 恐る恐る手を中に入れてみる。


 十cm程手を入れた所で何かに触れた感じがした。


 その瞬間、真っ暗だった空間に現れたのは青味がかった銀髪猫毛のフワフワショートヘアに濃いアメジスト色の瞳の女の子。


(え……? もしかして、これ……私……?)


 少し癖のある髪がフワフワしていて綿菓子のように見えた。


 クッキリとした二重で睫毛がクルンとしていて、充分美少女と言える。


(よ……良かったぁ……。不細工じゃないし、普通より可愛いわよ。よかっ……え?)


 鏡のようになって自分を見ていると思っていたら、唐突にその女の子が動き出した。


(わ……私、動いてないのに……っ‼ 動いてないってか動けないっ‼)


 水鏡に触れた状態から身動がとれなくなり、竹富に助けを求めようとしても喉が詰まったかのように声が出せなくなった。


〘あなたは……誰……? 私に似てる……〙


 頭の中に直接響く声。


『え……? あ……あなた もしかして 光神リリ……なの?』


〘そう……。私は光神リリ……。あなたは、どうして私にそっくりなの……?〙


『ん〜。って言われても、私も分からないのよ。あなたは、今どこに居るの?』


〘どこ……? えっと四角い箱の中……〙


(四角い……箱……?)


 どう見ても水鏡は丸く、訳が訳が分からなくなった。







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