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18話


 そんな事を考えながら竹富達に着いて歩いて行くと、一際大きな屋敷が見えて来た。


(はぁぁ……。いかにもなデカい屋敷ねぇ〜。敵が攻めて来たらバレバレな感じの……)


 恐らくあの水晶と個人識別の胸元の石がなければここに来る事は出来ないとは思うが、それでも気になる物は気になる。


(ま、良いか。里長がどんな奴か知んないけど、親だとしても私は『リリ』じゃないし、何かあっても助けなきゃなんない義理はないし。そもそもゲーム内の人物なんだし、何かあっても私の責任じゃないっしょ)


 薄情と言われれば確かにそうなのだろうけれど、ゲームなのだと思ってなければ、いくらモンスターと言えども命を奪う行為は気持ちの良いものではない。


 門番すら居ない屋敷。


(ここは平和なのね……)


 ゲームにありがちな土足のまま屋敷に上がり、長い廊下を歩いてようやく辿り着いたのは百人は宴会が出来そうな大広間。


 そして正面にデンっと座っているのは、いかにも悪人面した髭面ひげづらの大男。


(……これが里長……? 悪代官面ぁ〜。え……? もしコレが父親とかだったら『リリ』ってやっぱ不細工なんじゃ……)


 未だ鏡を見ていない。


 悪代官面の里長と血縁関係があるかも知れない自分の顔を想像すると背筋が寒くなる。


(ヤダヤダっ‼ いくらゲームのキャラだとしても、あんな悪代官面の娘とかヤダっ‼ 絶対っ‼ レオにカケラの好意も寄せてもらえないじゃないっ‼)


 不細工で、このエロ忍者服。


 完璧なヒロインの引き立て役。


(ちょっと待てぇ~〜〜っ‼ やっぱキャラデザ担当ブン殴るっ‼ オッケー出した監督プロデューサーだか、お偉いさんもブン殴るっ‼  今直ぐここに来いっ‼ てか 私を元の世界に も・ど・せ・ぇ〜っ‼)


 ワナワナと握った拳が震える。


(確かに親のキャラデザが悪役面でも可愛いキャラも居るけどさっ‼ それは他人だから許せるのよっ‼ 自分がっ‼ こんな悪代官面の娘とかだったら最悪よっ‼)


 怒りに震えながら突っ立っていると、竹富に腕を引っ張られ無理矢理座らされた。


 ムカつきながらチラリと悪代官面の里長を見ると、眉間に深ぁ〜〜〜い皺が寄っていた。


(何よぉ〜っ‼ 私は今、それどころじゃないっつうのっ‼ 悪代官よりレオの方が大事だっつうのっ‼)






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