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16話


 ぶつくさぶつくさ一通り文句を吐き、それでも

(文句言ってもどうしようもないのよね……。私が改変出来る訳じゃないし……さ……)

と、気持ちを切り替える。


(もしかしたら、光神の里からまたここに戻って来た時には新コスあるかも知れないし……)


 自分のやっていた時のストーリーでは、しばらくここへ戻る事はなかった。だが、ストーリーの進行が元のゲームとは違うのだから『もしかして 』があるかもと淡い期待を抱いた。


(よくあるよね。一度目に訪れた時と二度目では商品が違うとか、出るモンスターが違うとかさ。うん)


 そんな事を考えてながら竹富の後に続き歩く。


 竹富達は外界に続く門の前を横切り、門の東側にある森の方へ向かった。


(ん〜? こっちって森のグラフィックがあっただけで入れなかったよなぁ……?)


 森の中をズンズン進み、周りが木々に囲まれた所に大きな大きな樹があった。


(スゲェ〜でっか……。屋久杉とかみたいな感じだぁ……。御神木ごしんぼくっぽいなぁ……。樹齢何千年とかって奴よね)


 見上げてみてもてっぺんが見えない。


(森のグラフィックの中に、こんなでっかい樹あったっけ……?)


 立ち入れなかった所であっても見る事は出来たと思うぐらいの大樹。


 竹富はその大樹の裏側へと歩いて行く。


 そこにはバレーボールくらいの大きさの水晶みたいな物があった 。


(はぁ〜? これ、木が水晶を包み込んで成長した……のかな? けど位置は人の腰辺りの高さだから、後で埋め込んだ……とか? にしては 水晶の周りは自然よね。ゲームならではのご都合主義か)


「リリ、行くぞ 」


 里道が振り返りながらその水晶に手を当てる。


 里道の胸元のスケスケ部分が黄色い光を放ち、里道の姿がスゥーと消えた。


(成る程……。これって、よくある転送装置みたいな物なのね。これで 光神の里ってトコに行く訳だ。つまり、この木自体が光神の人間じゃないと見えないって事か……。道理で、私がやってた時は見えなかったはずだわ)


 竹富も続いて手を当てる。


 竹富の胸元の光は真紅。


(人によって光が違うんだ? 個人識別……とか?)


 何が関係してるのか、竹富と里道の光の色は違っていた。


(身分……とか? ま、今考える事じゃないよね。とりあえず光神の里に行って『リリ』の事を知らなきゃ、この先どう動いて良いか分かんないし。行くっきゃないっ‼)






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