123話
ガキッ‼
リリが斬り掛かると里長は短刀で受け止めた。
「「「「リリっ‼」」」」
一人で戦闘を始めたリリに四人は驚き叫び声を上げた。
「答えなさい……。なぜ……なぜリリを殺したのっ⁉」
里長の短刀とリリのケーキサーバーがギチギチと音を立てる。
「死に逝く偽物がなぜ知りたがる? まぁ、良い。死に土産に教えてやろう。本物のリリは、儂の計画に気付きおった。記憶を書き換えてやったが完璧には書き換えが出来なかった。だから殺した。それだけだ」
「リリ……リオの記憶がはっきりしない部分があったのはアンタの仕業だったのね……。リオは……この世界を愛していたのにっ‼」
水鏡越しのリオの笑顔。優しく里の皆に慕われていたリオ。思い出すだけで胸が熱くなった。
「リオ……だと? 貴様は何を……」
リリの言葉に問い返そうとした里長にロディが斬り掛かる。
気配を察したリリが飛び上がるとロディの剣が里長の頬に傷を付けた。
「避けやがったか」
ロディが忌々しげに言うと里長はロディを睨み付ける。
そこに竹富と里道のクナイが里長に襲い掛かる。
「貴様等も、まだ逆らうかっ‼」
里長は短刀でクナイを叩き落とす。
そこにサラの氷魔法が叩き込まれる。
「ええいっ‼ 邪魔な魔法使いめっ‼」
里長がサラにクナイを投げ付けると、そのクナイを里道が短刀で叩き落とした。
その隙を狙ってリリが里長の頭に蹴りを喰らわせた。
ゴスッ‼
「貴様ぁっ‼」
よろけながら里長がリリを睨み付けた。
「武器でしか攻撃しないと思ってた? アンタを倒す為なら、どんな手でも使うわよっ‼」
怒り狂いリリに短刀を突き出す里長の背後からロディが斬り掛かる。
「グハッ‼ き……貴様……背後から……とは……卑怯なっ‼」
「人質を取ってたような卑怯者に卑怯とは言われたかねぇなっ‼」
ロディに向き直った里長の背後から竹富と里道が短刀で斬り掛かった。
「お前達……まで……。偽物と関わって……卑怯者に……成り果てた……かっ‼」
背中からボタボタと血を流しながら里長は竹富と里道に向かった。
「貴様のような外道に卑怯者と言われる謂れはない」
「何とでも言えば良い。俺は俺の信じた者の為に戦う」
里長の短刀をヒラリとかわしながら、竹富は飛び上がるとクナイを投げ付け、里道は屈んで里長の腹部にクナイを突き立てた。
竹富の投げたクナイは里長の肩に深々と突き刺さった。