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120話


 城にはそれなりに警備の忍びが居た。


「呆気ないくらいに弱っちい……。モンスターの方が強くね?」


 ロディがボソッと言う。


「それはロディが強くなったからでしょ?」

「リリに褒められると嬉しいぜ」


 城の中程で軽く休憩をとりながら話す。


 警備の忍びがやられていってるのは、里長には分かってはいるだろう。増援がないのは何かトラップがあるのか、はたまた自分で何とかなると思っているのか……。


(どっちにしても絶対負けない……。ぶちのめしてやるんだから……)


 リリは大量に作った一口サイズのライスコロッケカレー入りをパクパクと食べた。


 ここでしっかり食べれば里長の所に辿り着いた時に腹ペコにはならないとふんでいた。


(ロディの言う通り、敵は強くない。私達のステータスが上がっているのに悪代官面クソオヤジが気付いてないって事が有り得るのかな……?)


 ゲームのボスキャラは主人公達の動きを把握している。どうやってるかはツッコんじゃいけない。


 休息と軽食で体力回復をすると、また階段を登り始める。


「この城って見た目より階段が多いわよね?」


 サラが上を見上げながら言う。そろそろ階段を登るのにも飽きて来たのかとリリが笑った。


「お城って簡単に攻略出来ないように色んな仕掛けがあるの。抜け穴とか隠し扉とかね。外から見るのと中に入るのでは階数が違うとかもあるの」

「そうなんだ? そろそろ面倒だし、上空に向かって最上級炎魔法ぶっ放してやろうかと思ったわ」


 物騒な事を含み笑いをしながら言う。そう言う時のサラは妖艶さもあって色っぽい。


「里道ぃ〜。里道達が結婚して住まう場所を決めたら俺に教えてくれよ?」

「どうしてだ?」

「夫婦喧嘩のたびに巻き添え喰らいたくないから、絶対近くには住みたくないからだよ」


 ロディと里道のヒソヒソ話をリリはしっかりと聞いていた。


 どうやら、サラの耳には届いてなかったようだが。


(サラに聞かれてたら、今頃初級魔法ぶっ放されてたぞぉ〜)


 リリが笑いを堪えながら上を見上げると薄っすらと今までとは違う光が見えた。


「みんな……。いよいよだよ……」


 ニヤリと笑ったリリの視線の先を四人は見た。


「ようやくだな」

「全ての決着をつけよう……」

「未来の為に勝たねば」

「ぶっ飛ばしてやる」


 負けるなんて思わない。勝つ為に力を合わせて頑張って来た。


(絶対勝つんだ。全員で笑ってエンディングを迎えるんだ)







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