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第7章 いざ最終決戦っ!! 109話


「じゃあ、私達が戻るまでゆっくり体を休めていて。絶対、無理や無茶はしない事。疲れが取れたら体力作りをする事。良い?」


 翌日、人質となっていた人達を中庭に集めリリはキリッとした顔で話した。


「紀高」

「はい、リリ様」


 名前を呼ばれた紀高は姿勢を正した。


「あなたをここの代表とします」

「え? 僕が……?」


 リリは頷いた。


「あなたは頭も良く、周りの状況をしっかり見てるわ。私があなたを信頼し、ここの代表に任命します。何かあれば……パノール。ステルフ」


 名を呼ばれたパノールとステルフがパタパタと飛び出て来た。


「このパノールに伝えなさい。パノールに伝えればステルフに伝わり私に伝わるわ」


 パノールはパタパタと紀高の周りをグルグルと飛び回った。


〘リリ〙

『何? 何か問題があった?』

〘いや。この子はあるじの才があるな。恐らく言葉も通じるかと思われる〙


 パノールが紀高と言葉が通じればやり取りがしやすい。


『どうやるかは分かんないんだけど、パノールに任せて良いって事ね?』

〘うむ。ステルフ〙

〘はいはい〜。じゃあ、行くよぉ〜〙


 パノールとステルフが紀高の頭上でパタパタと羽ばたき羽根から零れ落ちる銀色の光を浴びせた。


「綺麗……」


 紀高は頭上を飛び回るパノールとステルフを見上げていた。


〘紀高、声が聞こえたなら答えよ〙

「え? あ、はい。聞こえております」

〘うむ。声を出さずとも言葉は通じる。分かったか?〙

『はい』


 どうやら会話が出来るようになったようだ。


〘じゃあ、パノール。紀高をよろしくぅ〜〙

〘うむ。任されよう〙


 パノールは紀高の周りをグルリと回るとフッと消えた。ステルフはリリの肩にとまった。


〘これで連絡がしやすくなったねぇ〜〙

『うん。てか、ステルフってパノールに偉そうに言う時あるね?』

〘え? そりゃそうだよぉ〜。ボクの体は青でしょ? ちゃんと見てぇ〜〙


 ステルフは、またパタパタと飛びリリに体を見せた。


『うん。空より青いって感じの青だね。それが、何か関係あるの?』

〘うん。空竜スカイドラゴンは空の色が一番上位なんだよぉ〜。ボクは空竜の王だもん〜〙


 リリの視線がステルフに釘付けになる。


(今……ステルフはドラゴンって言った……? こんな……もふもふの毛玉が……ドラゴン……? ステルフが……ドラゴンの王っ⁉)


 このハチャメチャな世界は一筋縄ではいかないようだった。







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