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108話


「竹富。里道。大人達の話を聞いて悪代官面クソオヤジは、どこに居るか分かった?」


 リリがキッと顔を上げて竹富と里道に訊いた。


「ハゼランに居るそうだ」

「ハゼランに……?」


 竹富が答えるとリリは俯いて焚き火の火を見詰めた。


(光神の里に居たら私達が行く事が分かっていたから……逃げやがったのか……。サラが洞窟を見付けなかったら、私達は探し歩いていた……よね)


 ふと顔を上げてサラを見る。


「なぁに?」

「サラは、いっぱい助けてくれるなぁ〜って思って」

「当たり前じゃない。私、リリが気に入ってるんだから」


 サラはニッコリと笑う。


「最初はヒメジオンについて来てもらうだけの約束だったのにね」

「リリ達と居ると楽しいし、何より里道に出会えたから」


 サラは、そう言って隣に座っている里道を見た。ほんの少し里道の頬が赤くなった気がした。


「うん」


 リリは、また焚き火を見詰める。


悪代官面クソオヤジを討ちにハゼランに行く……。アイツは許しておけない……。消えたNPCは……戻らないんだろうな……。てかさ、光神の里はあの場所じゃなきゃ……ヒメウズみたいに温かい地域とかじゃ駄目……? ヒメウズとヤブガラシの間、ローズ湖のほとりとかさ……)


 住むなら一番オススメしたい場所ではないかと思った。


(温泉があって、湖があって、山がある。問題は……外界に住むモンスターよね? けど、他の街みたいに外壁と内壁があれば良くない?)


 どんどんとリリの眉間のシワが深くなる。


(光神の里には田畑があった。牛もどきや鶏もどきもいた。人質の中には、そう言う仕事をしていた人も居るんじゃない? その人達が中心になって新しい街を造る……。リオは、自分の生きた世界に戻りたいって言ってたんだし、新しい街でも良い……よね?)


 フゥ〜と大きく息を吐き出す。そして、顔を上げるとロディ達がリリを見ていた。


「決めたんだろ? そんな顔してる」

「俺はリリの右腕だからな。どんな決断をしても付いて行くぞ」

「私もよ。リリの決めた事は間違ってないって思ってるわ」

「もし、荒唐無稽な事を言ったら叱るけどな」

「みんな……」


 この世界に来てから、正直ハチャメチャな事をして来た自覚はあった。現世リアルでやったらヤバい事もやった。人と関わる事が苦手だったのに仲間も出来た。


(うん、大丈夫。私は……私の信じた道を行こう)


 リリは決意を固め、これからの事を話した。








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